このところ僕は、生成AIを使って自分の仕事の効率化を図る取り組みを行っている。

そのことを自分では、「マイDX」と名付けている。

例えばその取り組みの一環として、新しい講演スライドをGemini3.0を使って作成してみた。

結論から言えばとても便利だ。Geminiはバージョンが3.0にアップされてからスライドのエクスポート機能がついたため、そこで作成したものがエクスポートボタンをクリックするだけでGoogleスライドに変換してくれる。するとそこで自分の手で編集作業もできるし、そのまま講演スライドとしても使うことが可能となっている。

しかしGoogleスライドを使い慣れておらず、PPT(パワーポイント)を使いたいという人も少なくないと思うが、それも問題ない。Googleスライドのダウンロードボタンをクリックして、DL先をPPTにすれば一瞬でGoogleスライドがPPTスライドに変換できるのである。

つまりGemini3.0内で作成したスライドは、2クリックするだけでPPTスライドになるということだ。これらの作業は無料版でも可能となっている。つまりこの作業に専門知識や特殊技術は必要とされないのだ。
AIで講演スライド作成
だからと言って人の手を全くかけずに、AIだけでスライド作りが完結するということではない。

例えば介護報酬の算定要件などを説明するスライドを作成してみるとわかるが、どんなにプロンプト(AIに対して入力する指示や質問の文章)を工夫しても、完璧な説明スライドにはならない。

算定要件の重要な部分が抜けていたり、過去の要件が混じっていたり、同じ要件が違う文章で重複していたりといった間違ったスライドが混じってくる・・・よく「AIは嘘をつく」と云われるが、正解を導き出そうとして、間違った情報をも取り込んで体裁を整える傾向があるようだ。

そもそもAIが情報をとってくるのはインターネット上からであろうから、そこにも間違った答えがあふれている。AIの間違いではなく、AIが根拠にした情報が間違っている場合もあるのだ。

だから最終的には人の作業による手直しが必要だ。

介護保険制度の説明や、介護報酬の解説などに関して言えば、最終的に手を入れる人間にその知識がないと、AIだけで講演スライドは作れない。あやふやな知識しかない人間であれば、AIの間違いをそのまま正答と思い込んでしまって、間違った解釈を広報することにもなるので、この点は十分気をつけなければならない。

だがまったく新しいテーマで講演スライドを作る際に、AIを利用して要点をまとめたスライドを作り、それを自分なりに説明しやすいように手直しするという方法は、一から手作業でスライド作りするよりずっと楽で便利だ。

作業時間は大幅に削減できるので、まさにAI活用によって仕事の生産性は向上すると言ってよい。

介護事業ではさらに深刻化する人材不足に備えて、生産性を向上させなければならないと云われている。そのため組織全体で介護DXを進める取り組みが求められている。

しかし大きな組織になればなるほど、組織全体にその取り組みの波が及ぶには時間がかかる。予算や環境の制約も出てくるだろう。

そうであるがゆえに、ひとり一人の従業員が、まずできることから生産性向上のための改革に取り組むことが大事だ。全ての介護従事者にマイDXが求められてくるのだ。

例えば、介護支援専門員がサービス担当者会議の議事録(サービス担当者会議の要点)を手書きで記載するようなアナログ仕事はもう必要ない。会議は必ず録音しておき、それを音声ファイルにしてAIに読み込ませるだけで良いのだ。あとはAIが勝手に議事録を作成してくれる。氏名表記の間違いなどは、一度修正指示を出せば、あとは学習機能で同じ間違いを犯すこともない。

こうした議事録作成はAIの得意技なので、そこはもうAIに任せればよい。そこで削られた業務時間を利用者対応に回せばよいのだ。

介護の記録業務もそうした方向に向かうことで、介護職員が業務時間内に利用者対応できる時間が増えることだろう。

是非そうした形でAIを日常業務で使いこなす業務改革を進めてほしい。それをしなければすぐ近い将来、介護事業者の業務は回らなくなり、機能不全に陥ることを覚悟せねばならない。
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