全産業で労働力不足が深刻化する我が国において、近年注目度が急上昇中なのがスポットワークという働き方である。
スポットワークとは、「短時間・短期間で継続的な雇用関係のない働き方」を指す。単発バイトやスキマバイトとも呼ばれ、1日単位や数時間単位の雇用契約が一般的となっている。
だが勤務時間が極めて短時間とはいえ、雇用形態は企業と労働者が直接雇用契約を結ぶことになるため、労働者は労働基準法で保護される。
そんなポットワークは、求職者はスマホやタブレットで簡単に登録するだけで、選考過程がほとんどないことから、応募の敷居が低いともいえる。
例えば本業で給与所得があり社会保険に加入している場合、副業としてのスポットワークで週20時間以上かつ月給8.8万円以上の条件を満たさない限り、別途社会保険に加入する必要はないので、その点も気軽に登録・就業できる理由になっている。
そうした働き方の仲介を手掛ける企業によると、介護分野のスポットワークについては求人側と求職側の双方でユーザーが増えているそうである。

そうした状況を関係者はどう捉え、どんな対策をとる必要があるのだろうか。
スポットワークは短期・短時間の仕事だから、当然のことながら対価は安く抑えられがちであるし、教育訓練が不十分となり、労働の質にも懸念が生ずるケースは少なくない。人材が定着しにくくノウハウが蓄積されにくいというデメリットも否定できない。
そうしたデメリットも知悉してたうえでなおかつ、人材不足の介護事業にとってスポットワーク人材を確保することは介護業務を回すための予備エンジンとなっているという事実を受け入れる必要がある。
介護業務は、人間が他の人間に相対して手を掛けねばならないという特徴があり、この部分についていえば、人の手に替わってAIロボットなどのテクノロジーが実施・完結できる部分がごくわずかであるという現状がある。
このようにテクノロジーに置き換えできない行為で、なおかつ単純作業として行える周辺業務について、スポットワークで働く人が担うことで、介護職員の行う負担が減り、利用者への直接対応に時間を割くことが可能になるというメリットもある。
介護未経験者をスポットワークで採用し、助手的業務から始めて簡単な身体介護を行うことができるようになる過程で、実際の働きぶりを見極め、長期雇用へ移行する「お試し期間」にもなる。
こうしたポジティブな部分を重視し、介護サービスの品質保持の方法論の一翼を担うスポットワークということを真剣に考えていく必要がある。
勿論、そのような働き方が増えることで、介護業務の単価が安易に削られ介護職員の社会の底辺化を促したり、それに比例して介護サービスの品質の低下につながる懸念はぬぐえないが、そうした懸念を念頭においても生産年齢人口・労働者数が社会全体から減っていくことを鑑み、その懸念を克服する対策をこうしていく必要がある。
例えばスポットワークの介護職が、温度管理できていなかった熱湯風呂に利用者を入れて死亡させるという事故も起きているが、類似の事件・事故は介護福祉士の資格を有する正職員も引き起こしている・・・つまりそれらの問題はスポットワークという働き方が引き起こしている事件ではなく、介護事業者の被雇用者に対する教育・訓練・指導が有効に働いていないという問題なのである。
ここを理解したうえで、職場全体の労務管理の在り方・就労ルールの徹底・スキル担保のための教育システム再構築などに努めていく必要がある。
ここも改革が必要となる部分だということを理解せねば時代についていけなくなる。
※CBニュースの連載・「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の第123回記事が配信されました。

今回のテーマは、「介護報酬臨時改定・求められる加算以外の処遇改善」です。文字リンク先を参照ください。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
スポットワークとは、「短時間・短期間で継続的な雇用関係のない働き方」を指す。単発バイトやスキマバイトとも呼ばれ、1日単位や数時間単位の雇用契約が一般的となっている。
だが勤務時間が極めて短時間とはいえ、雇用形態は企業と労働者が直接雇用契約を結ぶことになるため、労働者は労働基準法で保護される。
そんなポットワークは、求職者はスマホやタブレットで簡単に登録するだけで、選考過程がほとんどないことから、応募の敷居が低いともいえる。
例えば本業で給与所得があり社会保険に加入している場合、副業としてのスポットワークで週20時間以上かつ月給8.8万円以上の条件を満たさない限り、別途社会保険に加入する必要はないので、その点も気軽に登録・就業できる理由になっている。
そうした働き方の仲介を手掛ける企業によると、介護分野のスポットワークについては求人側と求職側の双方でユーザーが増えているそうである。

そうした状況を関係者はどう捉え、どんな対策をとる必要があるのだろうか。
スポットワークは短期・短時間の仕事だから、当然のことながら対価は安く抑えられがちであるし、教育訓練が不十分となり、労働の質にも懸念が生ずるケースは少なくない。人材が定着しにくくノウハウが蓄積されにくいというデメリットも否定できない。
そうしたデメリットも知悉してたうえでなおかつ、人材不足の介護事業にとってスポットワーク人材を確保することは介護業務を回すための予備エンジンとなっているという事実を受け入れる必要がある。
介護業務は、人間が他の人間に相対して手を掛けねばならないという特徴があり、この部分についていえば、人の手に替わってAIロボットなどのテクノロジーが実施・完結できる部分がごくわずかであるという現状がある。
このようにテクノロジーに置き換えできない行為で、なおかつ単純作業として行える周辺業務について、スポットワークで働く人が担うことで、介護職員の行う負担が減り、利用者への直接対応に時間を割くことが可能になるというメリットもある。
介護未経験者をスポットワークで採用し、助手的業務から始めて簡単な身体介護を行うことができるようになる過程で、実際の働きぶりを見極め、長期雇用へ移行する「お試し期間」にもなる。
こうしたポジティブな部分を重視し、介護サービスの品質保持の方法論の一翼を担うスポットワークということを真剣に考えていく必要がある。
勿論、そのような働き方が増えることで、介護業務の単価が安易に削られ介護職員の社会の底辺化を促したり、それに比例して介護サービスの品質の低下につながる懸念はぬぐえないが、そうした懸念を念頭においても生産年齢人口・労働者数が社会全体から減っていくことを鑑み、その懸念を克服する対策をこうしていく必要がある。
例えばスポットワークの介護職が、温度管理できていなかった熱湯風呂に利用者を入れて死亡させるという事故も起きているが、類似の事件・事故は介護福祉士の資格を有する正職員も引き起こしている・・・つまりそれらの問題はスポットワークという働き方が引き起こしている事件ではなく、介護事業者の被雇用者に対する教育・訓練・指導が有効に働いていないという問題なのである。
ここを理解したうえで、職場全体の労務管理の在り方・就労ルールの徹底・スキル担保のための教育システム再構築などに努めていく必要がある。
ここも改革が必要となる部分だということを理解せねば時代についていけなくなる。
※CBニュースの連載・「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の第123回記事が配信されました。

今回のテーマは、「介護報酬臨時改定・求められる加算以外の処遇改善」です。文字リンク先を参照ください。
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感動の完結編。
