(枯渇する訪問介護人材に紛れ込む人罪より続く)
僕が社会福祉法人の総合施設長に就任した際に、最初に取り組んだことは従業員の、「言葉の改革」であった。
施設長就任前から介護職員の利用者対応は丁寧語で行うように指導していたが、全員にその意識が浸透せず、いつの間にかタメ口対応に戻ってしまう介護職員も少なくなかった。そういう従業員には都度注意することができても、罰則を伴う強制力がないことから、ところどころにその漏れが目立つ状態だった。
その状態を改善するために、まずは社会福祉法人の全従業員は介護事業のプロフェッショナルとしての自覚を持ち、プロとしてふさわしい顧客対応を徹底すべきであるとし、利用者に対してサービスマナー意識をもって丁寧語で対応することを基本原則とするということを、施設理念のトップに掲げて、その理念を遂行することを求めた。
そしてそれは法人内のルールであるとした。そのルールを護ることができない人は、法人職員としてふさわしくないとして罰則対象であるとした。
そのようにしてルールを護らない職員に、厳格に罰を課すことによって理念は浸透していった。

そうしないことには理念もルールも浸透しないと思ったからである。
どんなに介護業務に精通しているとしても、介護サービスを利用する人の感情を害しては意味が無いのである。
介護従事者の横柄な態度、無礼な言葉遣いはしばしば人権侵害につながる問題を引き起こしているという事実がある。親しみやすさを強調しようとして使ったタメ口で利用者の不快を買ったときに、「そんなつもりはなかった」という言い訳は、人権侵害という結果をもたらした後では、なんの免罪符にもならないのである。
だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となるのが、「サービスマナー」であることを理解しなければならないし、介護従事者はよそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいなければならないのである。
サービスマナーを身に着けられずに、丁寧語を使いこなせない従業員は、しばしば無礼対応〜不適切サービス〜虐待へと行動をエスカレートさせる傾向が強い。
例えば、先週2/19にも千葉県船橋市の介護付き有料老人ホーム「リアンレーヴ東船橋」で、入居者の90代の女性に対し、顔を殴るなどの暴行を加えけがをさせたとして、介護職員の男・永井元基容疑者(33)が逮捕されている。
容疑者は夜勤中にコールで何度も呼ばれることにイラついての犯行であると自供しているが、利用者にとって命綱ともいえるナースコールを否定するかのような考えを生むのも、利用者が顧客であるという意識の欠如に他ならない。
こういう事件が引き起こされることを防ぐためにも、介護事業におけるサービスマナー意識の確率は非常に重要になるのだ。それは介護事業経営を続けるための必須アイテムなのである。
来週から暦は3月に変わる。その月は卒業の月でもあり、その後の4月には介護事業者に数多くの新入社員が入社してくる。その人々が先輩職員の間違った感覚による、馴れ馴れしい失礼な対応や言葉遣いを真似することがないように、今から今いる従業員に対してサービスマナーを徹底する教育を行うことが重要である。
そのことに決して手を抜いてはならない。
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感動の完結編。
