介護労働実態調査報告書によると、2018年時点で訪問介護員の全体の平均年齢は55.5歳である。
(訪問介護員の年代別分布図:出典は2020年介護労働実態調査報告書)

しかも50歳以上が全体の73.0%を占めており、20代は1.0%という現状であり、その調査から8年を経ている今現在、訪問介護員の高齢化はさらに進んでいるといえる。
そうなると20代・30代の訪問介護員は、訪問介護事業所にとって極めて貴重な存在であるといえる。
だからと言って資格や年齢だけで採用してしまっては大変なことになる。そこには介護を仕事にしてはならない人罪が含まれているからだ。
特に訪問介護というサービスの場合、利用者宅というプライベート空間でサービス提供するという特性がある。そこは密室化されやすい場所でもある。
そこで訪問介護サービスを受ける人にとっては、訪問介護員がサービス利用者の心身状態に最大限に配慮してサービス提供してくれるものと信頼を寄せて、自宅に足を踏み入れることを認めているわけである。
そのような信頼感がないと密室化するプライベート空間で、安心して身を委ねることなど出来ない。だがそうした信頼を根こそぎひっくり返すような事件が繰り返されていることも事実だ。
つい先日も、訪問介護職員として訪れた静岡県長泉町の住宅で、高齢の住人の隙をうかがって指輪3個を盗んだ疑いで37歳の女が逮捕された。

窃盗の疑いで逮捕されたのは、静岡県三島市大場の訪問介護職員の女(37)である。女は2月20日頃、訪問介護職員として長泉町下土狩の一般住宅に訪れた際、住人の89歳の女性の隙をうかがって指輪3個(時価計20万5000円相当)を盗んだ疑いが持たれている。
事件発覚の経緯は、被害者の女性から相談を受けた知人が2月20日午後2時頃に「家から物がなくなっている」と警察に通報したというものだ。
本ケースは被害者が自宅から物がなくなることに気が付いたから事件化できたが、仮にサービス利用者が軽度の認知機能低下がみられるケースであったとしたら、事件そのものが発覚しないことも考えられる。
そんなことを考えればきりがないと云われるかもしれないが、全国の様々な介護事業者の相談を受けている僕は、ヘルパーの窃盗事件という問題に数多く向かい合ってきたという事実がある。
例えば相談を受けている居宅介護支援事業所が作成した居宅サービス計画書に位置づけた訪問介護サービスで、たまたま担当となった訪問介護員が利用者宅で窃盗を繰り返し、物がなくなったことに気が付いた家族が設置した隠し撮りビデオで犯行が証明されたというケースにも関わってきた。
こうした窃盗事件は卑劣でしかない。自らの職業を利用して、顧客である利用者の財産をかすめ取るという人として許されない犯罪を恥ずる気持ちはないのかと言いたくなる。
だがこうした犯罪・犯行を倫理教育だけで防ぐことは極めて困難である。犯罪気質という人間性の問題がそこには常に存在するからだ。
だからこそ訪問介護にかかわらず全ての介護事業者は、人物の見極めをどう行っていくのかという問題意識を常に持って対応していかねばならない。運悪く酷い人物を採用してしまったでは済まない問題であると捉え、そうした人罪をどのように排除していくかを考えなければならない。
そういう意味で僕は、介護サービスの割れ窓理論やサービスマナー教育というものを重視して、介護事業経営に当たってきたのであるが、そのことについては明日詳しく解説したいと思う。(サービスマナーは倫理上の課題にあらずに続く)
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