選挙の際に介護保険施設や居住系施設(GH等)及び医療機関では、入所者及び入院患者のために不在者投票を実施することができる。
この投票は投票日の前日までに済ませねばならないが、投票所で行う期日前投票とは異なり、投票所に行くことができない人のために、臨時の投票所を施設内に設置して行うために不在者投票とされている。
僕は1983年(昭和58年)に社会福祉法人の特養に就職したが、同年の6月に行われた参議院選挙で初めて、特養内の不在者投票事務を担当した。
その当時の特養の入所者は明治生まれと大正生まれの人がほとんどだった。そこには文字の読み書きを教えられていない、「文盲(ぶんもう)」の方が少なからず居られた。その為、利用者の方が投票したい人は誰かを聴きとって、その候補者を投票用紙に記入すると代理投票が必要な人が多かった。
僕は今から11年前に社会福祉法人を退職したが、その当時でも代理投票は数多く行われていた。ただしそれは文盲のため投票用紙に候補者名を書くことができないからではなく、不在者投票の仕組みに沿った投票行動ができないからであった。

上の画像を参照してほしいが、不在者投票の場合、投票用紙を投票箱に投じるのではなく、投票したい候補者を記入した投票用紙を内封筒に入れて封函し、さらにその内封筒を外封筒に入れて封函し、外封筒に投票した人の氏名を記入したうえで投票箱に入れなければならない。
しかしこの作業は高齢者にとって簡単ではない。投票用紙を内封筒に入れずに外封筒に入れて投票しても無効票だ。そもそも特養入所者は脳血管障害の後遺症の方が多く、片麻痺のある方は投票用紙を封筒に入れて封函する行為は非常に困難となる。
その為に代理投票として、一連の行為を代理投票補助者に任せる人が多くなってしまう。
だがこれは秘密の保持・プライバシーの保護上は大きな問題である。不在者投票ももっと簡素に片麻痺がある人も一人でできるような仕組みに変えてほしいとつくづく思う。
不在者投票と言えば、「あれやこれやの事件やニュースに触れて」という記事で解説したように、僕が勤めていた特養では、僕が退職した7年後に不正投票が行われたといいう恥ずかし事件が勃発した。
不正内容は認知症等で意思表示ができない入所者3人の道選挙区(改選数3)と比例代表の投票用紙を使い、施設長と事務員が不正投票を行ったというもので、二人には罰金刑が科せられた。(※確か30万円だったような記憶がある?)
利用者の投票権を侵し、私利私欲のために他者の投票権を行使することは許されない行為である。このような不正が、介護保険施設全体に対する社会の信用失墜につながることを考えて、このような不正行為を決して行わない・許さないということを肝に銘じていただきたい。
さていよいよ次の日曜日は衆議院議員総選挙の投票日だ。僕は昨日、介護認定審査会のため登別市役所に行かねばならず駐車場に17:50頃についたが、いつもならその時間は閑散としている駐車場が満車で止められない状態であった。
それは総選挙の期日前投票に訪れた人の車だった。投票日当日の天候悪化の予報のために、期日前投票する人が増えているのだろうか。あるいは事前予測で不利を報じられた政党の組織票の動きかもしれない。
どちらにしても投票行動をとる人が増えることは良いことだ。投票日の天候悪化が予報されている地域の方は今日か明日中に期日前投票を済ませていただきたい。
国に物申すためには国民としての義務を果たす必要がある。どうぞ、ご自分の1票の権利を大切にして下さい。そして投票義務を果たしたうえで、政策について批評・批判を行いましょう。
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