国立社会保障・人口問題研究所が2018年に行った試算では、2030年に年間死亡数は160万人を超え、その後2050年ごろまで160万人台で推移していく見込みであるとされていた。

ところが昨年厚労省が公表した令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況の第6表 死亡数・死亡率(人口10万対),死因簡単分類別 (2-1)によれば、2024年の死者数は160万5298人となり、前年比で2万9282人増えて死者数・増加数共に戦後最多となっている。

このように2018年推計より6年早い段階で死者数は160万人を超えているのである。そうなると相当数の看取り難民が既に発生している可能性が高い。

看取り難民とは、死期が近づいた終末期に必要な医療や介護等を受けることができずに死を迎える人のことを指す。

しかし必要な医療や介護を受けることができなくとも、人は死ぬことはできる

そんなふうに必要な医療や介護を受けられない状態で亡くなる人は、癌の痛みの緩和治療を受けられずに痛みにのたうちまっわって死を迎えるかもしれない。老衰で亡くなる人の中で必要なケアを受けられず、体位も変えられず、おむつも交換されない状態で、身体の至る所に褥瘡ができて、痛みに悶え、不潔極まりない状態で旅立っていくのかもしれない。

どちらにしても看取り難民となれば、終末期に人としての尊厳をすべて失って苦しみの中で死んでいくことになる。

そのような看取り難民を生み出さないために、介護事業者も看取り介護・ターミナルケアを見据えた事業展開を図らねばならない。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営Vol.14
メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の今年最初の更新記事は、この問題にスポットを当てている。

テーマは、「事業戦略上より重要となるホスピス機能」である。

介護保険施設や居住系サービス・多機能サービスは、日常ケアの延長線上に看取り介護・ターミナルケアの機能を持っている必要がある。それは在宅復帰を主目的とした老健施設でも同様だ。(参照:地域包括ケアシステムの中での老健の機能を考える

住宅型有料老人ホームも、入所者が終末期になった際に放り出すのではなく、居住スペースで看取り介護を受けられるような備えをしておく必要がある。

2024年度の報酬改定で、末期がんの利用者のみが対象となっていたターミナルケアマネジメント加算が、対象疾患を限定しないというふうに対象拡大された居宅介護支援事業においては、全ての利用者の終末期支援を見据えたマネジメントを行う必要がある。

それは介護事業者としての役割を果たすことにつながるだけではなく、多死社会における国民ニーズに応えることでもあり、地域住民から選択される介護事業者に直結する武器にもなるだろう。

紹介記事をぜひ参照いただきたい。
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