今年度の補正予算による介護支援パッケージでの賃上げ支援について、「介護分野賃上げ補助金のまとめ」という記事を書いてまとめている。

ここで解説しているように賃上げ支援は3段階構造となっており、1普段目の1万円/月賃上げ分は、「当該介護サービス事業所等に勤務する介護従事者を対象とする」とされているため、介護職員に限らず全従事者を対象に支給され配分されるものだ。

一方で2段目・3段目の合計0.9万円/月賃上げ分は、「当該介護サービス事業所等に勤務する介護職員」を対象に支給されるものだが、実施要綱で、「ただし、当該介護サービス事業所等において、介護職員以外の職員を改善の対象に加えることも可能。」とされているため、介護事業者の裁量で配分職種を介護職員以外に拡大することも可能となっている。

だが従前の処遇改善加算の対象外事業で、今回の賃上げ補助金対象に新たに加えられた居宅介護支援事業所等については、介護職員の配置がないために2段目・3段目の補助金は受給対象外となっている。

つまり居宅介護支援事業所は1段階目の1万円/月賃上げ分のみ受給して配分するということになる。
雪の大地
一方で介護支援専門員の配置義務があるその他の事業=介護保険施設・GH・特定施設・多機能系サービスは、いずれも介護職員の配置があるために2段目・3段目の受給も可となっており、最大で1.9万円/月を受給できる。そしてそれらの事業所では、ケアマネにも最大の補助金配分をする可能性が高い。

何しろ人材が不足しているのは介護職員にとどまらず、ケアマネの人材不足も深刻化し、全社協、「中央福祉人材センター」の調査結果によると、今年2月の介護支援専門員(ケアマネジャー:以下ケアマネと略)の有効求人倍率は9.70倍となって、介護職員の6.13倍を大きく上回っているのである。

そうなると介護保険施設・居住系施設・多機能系サービスのケアマネジャーには1万円/月+αの賃上げが期待できるが、その反面、居宅介護支援事業所のケアマネジャーは最大でも1万円/月の賃上げにとどまることになる。

この補助金配分が法人単位で配分出来て、法人内の補助金受給事業所であれば支給率を超えた配分が可能になるにしても、居宅介護支援事業所しか運営していない場合は、それもできない。

訪問看護や訪問リハの単独事業所も同じことが言えるわけで、施設の看護職員やリハ職員との差が生まれる可能性が高い。

在宅生活を重視する介護保険制度において、それを支える居宅サービスの同職種の待遇が軽視視されかねないようなルールだ。

しかも今回の賃上げ補助は5月給与分まで支給されるが、6月以降は介護報酬の臨時改定によって、「処遇改善加算」の拡充で対応するとしている。それは即ち補助金のルールをそっくり上乗せするという意味だ。そうなればこの格差は最低でも2027年3月末まで続くことになる。

同じ有資格者であるにも関わらず、所属事業の違いによって待遇に格差が生ずるのはおかしい。

介護報酬の臨時改定に際しては、この点を主張して、6月以降は居宅介護支援事業について補助金の加算率15%を横滑りさせるのではなく、そこに更なる上乗せをして1.9万円/月以上の賃上げができるようにしてほしいものである。
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