介護人材不足が深刻化し、その状況が好転する見込みがない介護業界。そこでは介護DX等による生産性向上の波に乗ることができない介護事業者は、大波に呑まれて浮き上がることは不可能となる。
そういう意味を込めてこのブログの1/5の更新記事として、「生産性向上の取り組みを本気で行わねばならない年」をアップしている。
だが介護DXに取り組む多くの介護事業者の現状を見ると、ICT活用がバックオフィスレベルにとどまり、介護実務の場は旧態依然のままであるところが少なくない。
それでは意味が無いと思う。なんといっても介護事業は、介護職員がいないと成り立たないのであるし、その介護職員が一番不足しているのである。そしてその数が劇的に増えることはなく、長期的に見ればさらに介護職員の人材不足は加速し続けるのだ。
だからこそ現状より少ない介護職員であっても、現状並みの介護サービスを提供できる得る体制作りを目指していかねばならず、介護実務に携わる介護職員が行う業務の省力化・生産性向上を意識したテクノロジー導入が求められるのである。
とはいっても人に替わって身体介護をしてくれるロボット等が存在しないことも事実であり、現行で介護実務の省力化を図る具体的なテクノロジーと言えば、見守り業務を省くことのできる見守りセンサー、連絡のための移動時間を削減することができるインカム装着、おむつ交換回数を減らすことができる高性能紙おむつ、体位交換の回数を減らすことができる高性能エアマットや自動体位交換機、介護記録を自動に近づける生成AI搭載記録装置などが主である。
そのような折、たまたまネットサーフィンしていて見つけた記事の中に、介護実務に使えるのではないかと思える情報を見つけた。
ケアマネジメントオンラインというサイトに掲載されていた記事、「全自動で磨く歯ブラシ開発 障害・介助者支援にも期待」で紹介されている全自動歯ブラシは、口にくわえて起動すると、ブラシが円を描くように振動しながら移動し、上下の歯の表裏や歯間を磨いていく仕組みで、最短1分で手磨きと同程度まで歯垢を除去できるそうだ。

この全自動歯ブラシは様々な介護事業でで活用できるのではないだろうか。特に介護保険施設・居住系施設などでは、多くの利用者に対して朝・昼・晩と食後に口腔ケアを行なわねばならない。しかも歯磨きというのは思った以上に時間も手間もかかる重労働である。そうしたケアが全自動歯ブラシを利用することで大幅改善される。
そう考えると全自動は磨き機は、非常に便利なツールとして活用できそうだ。
勿論のこと口にくわえて使用する機会であるのだから、使用者にはその方式に慣れてもらう必要があるだろう。さらに事故がないように見守る必要もあるかもしれない。そうであってもわずか1分見守るだけで口腔ケアが完結するのであればそれだけで介護業務省力化である。
介護施設におけるニーズについては、口腔ケアに力を入れたことによって従来比で1年後の利用者全体の入院日数が850日近く削減されたというデータもある。磨き残しの可能性が排除できない手作業で歯を磨くより確実に歯垢除去できるケアの全自動化は、こうした結果にもつながるという意味で介護サービスの品質向上でもあるといえる。
こうしたADL介助の様々な動作に、一つずつ対応できる機器が確実に増えていけば、介護実務の省力化や生産性向上効果は大きくなる。
更なる技術革新によって、介護実務の場で利用できる自動介護機器が増えることを期待したい。
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感動の完結編。
