年の瀬の空気に一年の早さをしみじみ感じる頃となったこの時期であるが、またしても介護事業者内での利用者に対する暴力事件が明らかとなった。
27日に福島県伊達市の介護職員の男(35歳)が暴行の疑いで逮捕されたが、容疑者は12月23日午後11時半ごろ、自分が働く施設の男性入所者(90代)の頭を手で叩く暴行をした疑いがもたれている。
男は容疑を認めているそうだ。その為年末・年始をブタ箱で過ごすことになろうが、それは当然だろう。
人の暮らしと心を護るべき介護保険施設で、利用者の尊厳を根こそぎ奪い取るような暴力をふるう輩に、どのような鉄槌を加えても奪われた心は取り戻せない。介護事業における従業員の暴力・暴言とはそのような重大な意味があることを忘れてはならない。
こうした暴力事件に関連したデータとして、厚生労働省は25日、介護職員による高齢者への虐待が2024年度に1220件あったとの調査結果を発表した。前年度から8.6%増え、4年連続で過去最多を更新している。職員に通報を促す環境整備が進んだことが要因の一因とみられてるが、被害者は1件で複数存在するケースもあり2248人にのぼり、うち5人が死亡している。
尊厳だけではなく命さえ奪う暴力が、要介護者の暮らしを支えるべき介護事業者内で起きていることは由々しき事態だ。

こうした事件が起こる理由として「倫理観や理念の欠如」・「ストレスや感情のコントロールができない」ことが挙げられるが、そのようなこと言う前に、家庭的とか親しみやすさとかを理由にした、砕けた馴れ馴れしい態度で利用者対応することを良しとする風潮を何とかしろと言いたい。
介護人材不足が叫ばれる中で、募集に応募してきた人を闇雲に採用し、十分な教育も行わないまま介護サービスの場に放り出すかのように働かせ、そこで不適切な対応を行っている姿を見ても、注意にへそを曲げて叱れない上司が多くなっている状況が、こうした虐待事案の根本ではないかと思う。
いくら人員を揃えても、介護事業の本来の目的を理解せず、知識も技術も拙いままで、「家庭的」という言葉を誤解し、家族と同じようなぞんざいな態度で利用者対応しても問題ないという意味と勘違いして利用者対応を続ける介護事業者では、いつ利用者の権利侵害とか虐待が起きても不思議ではないのである。
介護事業者の従業員は、職種に関わらず介護サービスのプロなのだ。プロ都市お客様に接するという意識をもって、それにふさわしい知識と技術を身に着け、高めていかねばならない。その知識と技術の中には、お客様に接するうえでのサービスマナーというものの含まれるのである。だからこそ全ての従業員に対するサービスマナー教育はおざなりにできないし、繰り返し定期的に実施する必要があるのだ。
介護支援専門員の法定研修では、昨年度から介護離職防止への支援というカリキュラムが追加されている。その意味は、日本の経済を支える労働力をも介護サービスが支えて護るという意味だ。
つまり介護が支えているのは経済も含めた社会全体なのである。日本という社会全体のセーフティネットが介護事業であり、そこで働く関係者すべてがそのセーフティネットを構成する貴重な人材であるという自覚と誇りを持ってほしい。
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感動の完結編。

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