グループホームのサービスの質の確保の仕組みとして、2001年度から自己評価が導入され、2002年度からは外部評価 が制度化されるようになった当時、外部評価員の確保が問題とされた。
僕の住む地域ではその確保のために、社会福祉士会に依頼があって、会員の中から外部評価員研修を受け、実際に外部評価に携わることができる人材の推薦を行った。
その一人が僕自身である。その為、2002年度から2007年度くらいまでの北海道胆振管内のGHの外部評価は、僕が行ったケースが数多くある。
この外部評価はほぼ1日がかりとなる。さらに調査内容をまとめた報告書を作成せねばならず、本業を一旦中断して調査員としての任務を全うする必要があったので、結構な負担が伴った。
調査日にはGH内をくまなく回り、環境・設備などもチェックする必要もあったが、当時問題になったのは、「屋内カメラ」である。利用者の居室内に設置されたカメラは、認知症の人の事故防止などのために、見守り目的で設置されたカメラであるが、それは、「防犯カメラ」というより、「監視カメラ」というべき使われ方がされていた。

当時は、利用者のプライベート空間を常に撮影するカメラが、利用者のプライバシー保護の観点と相反するものではないのかという考え方が根強く存在しており、それは心理的な身体拘束につながるという考え方もあって、出来る限りそうしたカメラを室内に設置しないように指導することが求められていた。
だが介護施設や居住系施設で、最も事故が起きる件数が多い場所は、利用者の主たる生活空間である居室であることは間違いのない事実で、GHであるならそこには、自分に差し迫った危機を認識したり、訴えたりすることができない人が数多く住んでいるわけだから、事故防止の観点からのカメラ設置はやむを得ないという考え方に変わってきたように思う。
現に介護DXの一環として推奨されている居室内に設置する見守りセンサーも、ほとんどがカメラ付きである。それがプライバシーの侵害であるから問題だという人は今ではほとんどいないのではないだろうか。
ところがこの見守りカメラ・・・利用者の事故防止・安全対策として使われるのではなく、密室化しやすい利用者居室で、介護職員が他者の目の届かない状態でも、適切な介護をしているのかを監視するために設置していると堂々と発言する人も出てきている。
最初にそのような考え方を聴いたときは、そこまで従業員を信用しないで、適切な労務管理ができるのかと疑問に思ったが、昨今の介護事業者における従業員が引き起こした事件を鑑みると、そのような悠長なことは言っていられないのかという気にもなる。(参照:死神夜勤者が存在するという地獄 ・ 社会のセーフティーネットという自覚と誇り)
上で示した参照記事で紹介した事件以外にも様々な虐待事件が起きている。
例えば毎日新聞のネット配信レポート『狙われた認知症女性・深夜の「影」追い詰めた執念の3972時間』では、GHに入所している高齢女性に対しる性的虐待事件の詳細が報告されている。
逮捕された容疑者(当該GHの男性介護職員:当時)は、性的行為は認知症の改善のための行為だったなどととんでもない供述をしているが、実際に卑劣な行為が証明されたのは監視カメラに映像が残っておいたためである。
こうした状況を知れば、従業員の行動監視も必要とされるのかと思ったりしてしまう・・・性善説での介護事業経営は益々難しくなるのだろうか。
それはとても寂しく残念なことである。
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感動の完結編。
