介護保険制度改正で検討されていた居宅介護支援費の利用者負担導入問題が決着に近づいている。
厚労省は、11/20の介護保険部会では所得に応じた自己負担などの3案を示した後、12/1の部会では、そのうち住宅型有料老人ホームの入居者に対するケアマネジメントにのみ利用者負担を求める案を示していた。(※参照:ケアマネジメント有料化の一丁目一番地)
しかし昨日12/15に開かれた介護保険部会では下記のイメージ図を示して、今後の導入が検討されている「登録制(事前規制)」が適用される住宅型ホームの入居者に特化した仕組みとして、ケアプランの作成や生活相談を担う新たなサービス類型を創設することを提案したうえで、新類系サービスによるケアマネジメントにのみ自己負担を導入する考え方を説明した。

(※介護保険部会12/15補足資料22頁より抜粋)
登録制(事前規制)が適用される住宅型ホームとは、中重度の要介護者(※要介護3以上)や医療ケアを要する高齢者らを受け入れる住宅型有料ホームが対象とされている。
そこの入居者が介護保険サービスを利用する場合、ケアプラン作成と相談援助機能を併せ持った新類系相談支援サービスがケアマネジメントを担うこととし、その際の報酬について現在の居宅介護支援のような出来高払いではなく、介護付きホームのような定額報酬とする案を提示。利用者負担は定率(原則1割)としてはどうかと提案している。
これによって居宅介護支援費の利用者負担導入という形はとらないことになる。既存の居宅介護支援事業所が、登録制から除外される住宅型有料老人ホームの入居者のケアマネジメントを担当した場合も全額保険給付されるわけである。
この提案が実現すれば、居宅介護支援事業所が利用者負担分の徴収業務を行うようになって、業務負担増になるという心配はなくなるわけである。
だが中重度の要介護者(※要介護3以上)や医療ケアを要する高齢者らを受け入れる登録制(事前規制)が適用される住宅型ホームの利用者は、居宅介護支援事業所の顧客からは外されるわけであり、この部分は収入減につながる恐れがある。
それにしても新たな相談支援の類型サービスって、経営が立ちいくだろうか?
この新類型事業の人員配置基準については、ケアマネジャーだけでなく生活相談員の配置を求める構想が示されている。しかし全国でケアマネの人材不足が叫ばれ、有効求人倍率も訪問介護員を除く介護職員より高くなっている状況で、新類系サービス事業にケアマネジャーを配置できるだろうか。
そもそも新たな相談支援の類型サービスの顧客は、登録制(事前規制)が適用される住宅型ホームの利用者の身である。それは事業の発展性が著しく阻害される延びない事業そのものである。
それとも新類型相談支援サービスは、居宅介護支援事業所が行っているケアマネジメント業務も行えるようにするのだろうか。そうであってもケアマネジャー以外に相談援助職を配置せねばならないとなると、相当な人件費がかかる。公費はそれに対応するほど支出されるというのだろうか。それは期待薄で、どちらにしても収益性が低いサービスとならざるを得ないと思われる。
誰がそんな事業を経営したいと思うだろうか。僕なら手を出さない。
そうであれば新たな相談支援の類型サービスも、登録制(事前規制)が適用される住宅型ホームの経営主体が、そこの利用者のためだけに立ち上げることになり、結果的に囲い込みの新類型サービスが誕生するだけの結果に陥るのではないだろうか。
そんな事業所に就職したいと思うケアマネや相談員は、果たしているのだろうか・・・。
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