地域医療構想の見直しや医療DXの推進を盛り込んだ改正医療法が、12/5の参議院本会議で可決・成立した。これによって、医療機関が経営安定を図るため緊急に行う病床削減の支援事業を都道府県が行うことができるようになる。

また厚労省関連の補正予算支出では、医療機関の病床を一定条件下において1病床を減らすごとに約410万円を医療機関に補助する対策も強化されている。

これらの医療病床削減方針は、「トップマネジメントとして最も重要なことは何か」という記事で指摘した通り、自民・維新の会・公明3党との協議で、「約11万病床が余剰となっている」という考え方が背景にあって、これによって医療費の抑制効果が約1兆円あることを見込んだものだ。

全国の医療病床がいきなり11万床減らされることにはならないが、そこに向けて徐々に医療病床が削減されていくことは間違いなところだ。
黄昏の落下傘
だがその中で高齢化は進行し、持病を持つ人も増え、死者数も増えていくわけである。だから余剰病床とは病気の人が減るから要らないベッドではなく、病気の人や死者が増えても、慢性疾患や終末期の人は医療機関のベッドを使う必要ない人たちだという前提で議論されている問題である。

つまり長期入院できる医療機関は政策的に減らされていくことになり、入院期間はなるべく短くして、療養は暮らしの場で行う流れとなっているのだ。

特に北海道は病床削減数が750床と全国都道府県別では最多となっており、その現状を踏まえると影響は既に様々なところで現れているといって過言ではない。

そこでは医療機関から療養の場へつなぐための医療・介護連携がますます重要になり、関係構築と協働の強化が図られていくのである。

しかし協働とか連携といっても、連携する相手側がより親切に手を差し伸べてくれると考えるのは間違いである。連携のための情報はより速やかに送られてくるが、それを読み取る能力が受け取る側に求められるということだ。

例えば入院患者が在宅復帰した後、居宅サービス等を適切に結びつけて在宅での療養と暮らしの支援を行う多職種連携が機能しなければならず、多職種連携の扇の要役となる居宅介護支援事業所の介護支援専門員の役割がより重要になる。

入院患者が退院する際に、医療側からきちんと必要な情報を受け取って、その情報を居宅介護支援に生かす必要性が増すのである。

そこでは介護関係者側に、医療や看護の専門家チームの情報をかみ砕いて理解できる基礎知識も新たに必要とされる。通訳なしに医療・看護の専門家と渡り合えるスキルが介護関係者に求められてくるのである。

医療介護連携の強化・多職種協働の推進という流れの中で、介護関係者にそれらのスキルを備え置く努力が今以上に求められてくることを忘れてはならず、自らが何もしないで構えていても、医療側がより親切に丁寧に協力してくれるなんて言う甘い考えをもってはならないのである。

自らのスキルアップなしに、この流れにはついていけないことを自覚してほしい。

このことに関連して函館市で12/18(木)に行うケアマネジャー対象セミナーでは、医療介護連携の具体例を伝えるので、是非参加していただきたい。
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