介護の、「」は、まもるふせぐたすけるという意味の言葉だ。

私たちが向かい合う介護サービス利用者とは、心身の障害等による何らかのハンデキャップを抱えた人たちである。それらの人たちは、本来自らに備わっている様々な権利や自由といったものを、自ら行使できなかったり、十分機能させることが出来なかったりする。

その為私たちは、それらのハンデを抱えている人々に少しだけ手を差し伸べ、心を傾けながら、利用者の様々なものを護らねばならない。人としての尊厳・権利・自由・財産といった有形・無形のものを護る仕事が介護という職業の本質である。

ところが数多い介護関係者の中には、利用者を護るどころか、彼らから様々なものを奪い取ることを目的としているような人の皮をかぶった獣のような人間が存在する。そいつらは自らの立場を利用して利用者の尊厳を奪い、財産さえも奪い取っている。

ごく一握りのそのような輩のために、世間の介護事業への信頼は奪われ、私たち自身もそのような醜い心の持ち主であるかのように見られてしまうのである。

本当に迷惑な話であり、そういう輩は介護事業から一掃されてほしいと心から思う。

つい先日もそう思わざるを得ない卑劣な事件が起きている。

岐阜県羽島市のグループホームで、職員2人が入所者への暴行の疑いで逮捕された事件で、施設の管理者(経営者のことではないかと思われる)が取材に応じ「日頃から入所者へ手を上げる場面があった」と証言している・・・堂々と暴力を肯定するような管理者の考え方が、従業員の日常的な暴力に繋がっているのではないのか。
グループホーム幸の里
このホームでは9/12に施設長で介護職員を兼務していた大塚律代容疑者(72)が、72歳の女性入所者に対し、平手で顔や足を複数回殴ったり、髪を引っ張ったりするなどの暴行を加えた疑いで逮捕されている。しかも16日にも、同じ時間帯にこの女性を含めた入所者3人に暴行したとして、このホームの介護職員・中尾厚代容疑者(57)も逮捕されているのだ。

その発言内容の詳細は以下だ。
施設管理者・78歳
うちはちょっと(症状が)重い人を預かっているので、私はっきり言って手の骨や肋骨を(入所者に)折られた。そういう時は『いい加減にして』と足や手をたたくことがある

認知症の人の行動・心理症状BPSD)が体罰で修正できるとでも思っているのだろうか。認知症の人の足や手をたたくことに何の意味がないばかりか、それは行動・心理症状BPSD)を一層悪化させる原因にしかならないことを理解できない人間がGHの経営をしているとしたら、これほど酷いことはない。介護事業に携わってはならない人間の発言である。即刻退場を願いたい。

兵庫県尼崎市の住宅型老人ホームで先月、男性の部屋に侵入し、現金50万円とキャッシュカードを盗み、その後ATMから50万円を引き出し盗んだとして、29日介護職員(ホームヘルパー)でサービス提供責任者である高見真由美容疑者(61)が窃盗の疑いで逮捕された。犯行は被害男性がデイサービス通っている間のもので、自らの立場を利用した悪質なものであるといえる。こんな奴がヘルパーであれば、常時監視していないと自宅の何を持っていかれるかわからない。こいつも介護等職業に携わってはならない。

10/20の更新記事「防犯意識の欠如が一因と云われても仕方のない殺人事件」で取り上げた埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者2人が死亡した事件では、殺人容疑で再逮捕された元職員の男が「死刑になりたかった」と供述していることが12/1分かった。

死にたいなら勝手に自分一人で死ねばよい。なぜ自分のもと職場の、恨みもない利用者を道連れにしなければならないのだろうか。こんな理由で殺された被害者は浮かばれない。遺族の悔しさもひときわだろう。

自分以外の他者を護ることができない人間が介護という職業に就いている不幸がこの国には数多くあるということになる。

そんな国にしないように、この国を少しでも良くするように、人員集めの雇用システムではなく、人材育成のシステムを構築していかねばならない。手を差し伸べ、心を寄せて護る人材を創造していく介護事業であらねばならない。

そのためにはまず、日常のサービスマナーの徹底に努めなければならない。
メディカルサポネットの連載、菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営の最新記事が更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
第12回のテーマは、外国人介護人材受け入れの必然と課題です。文字リンク先をクックしてご覧ください。


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