介護保険施設の相談員は、ある意味とても孤独である。

特養の中で一番数の多いのは50床施設であるが、そこは相談員配置基準は1名のみである。そして多くの50床特養は基準配置しか行っていないから、その相談員が施設ケアマネを兼務しておれば、相談援助職は施設内でたった一人しかいないことになる。

同じ職種の他者が存在しない状況は、業務上の相談相手がいないに等しい。そんな状況で相談員は頭脳役としてタクトをふるう役割が求められることになる。

それは決してレアケースではなく、現に僕は大学を卒業した年に、新設されたばかりの50床特養の、たった一人の相談援助職として生活指導員という職名を授かり業務に就いた。その際にも経験値が全くない状態で、たった一人の相談援助職として利用者の様々な問題に対応しなければならなかった。

そこではある意味、便利屋・何でも屋として、雑用を含めた様々な対応が求められ、時として相談員って何ぞや?用務員と同じではないかと疑問を抱くことも少なくなかった。

それに加えて昨今は、介護人材不足である。募集しても応募のない介護職員の穴を埋めるために、相談員が日常の介護業務を担わされる場面も少なくない・・・だが相談員が日常介護業務に就いている間は、そこに相談援助職は存在しなくなるのだ。それでよいと思っているのだろうか。

そもそもソーシャルワークとケアワークは、妥協的融合を図ってはならず、きちんと分離していないとお互いの専門性が発揮されないことは、すでに社会福祉の歴史上で証明されていることだ。

相談員がきちんとソーシャルワーカーとしての専門性を発揮して、その役割を果たすことができるような組織作りと、相談員自身の自覚が必要になるのである。

その為にも、孤独な存在である相談員を対象に定期的に研修を行うことが重要だ。そこで相談員としての役割や使命を自覚でき、存在意義を確認できれば、仕事を続けようとする意欲と勇気に結びつくのである。
孤軍奮闘する相談員
僕は特養や老健、通所介護等の相談員向け研修講師を務める機会が多い。その時は、上に書いたようなことを伝える、相談員としての社会的使命を実感できるようにするとともに、最新の情報とその考察内容も伝えて、相談員が施設・事業所の頭脳としての役割を果たすことができるようにしている。

そのような研修の講師を先日務めたばかりであるが、受講した相談員の方々のアンケート結果が送られてきた。

この記事を読んでいる相談援助職の方は、是非文字リンク先から、相談員実務に携わっている人々の生の声を参照いただき、自分と同じ考えを持っているとか、なるほどこういう考えもあるのかとか、いろいろなことを考えていただきたい。

そこで考えたことを明日以降の相談援助業務に生かして、相談員としての誇りを忘れずに利用者福祉の向上に努めていただきたい。

頑張れ!!相談員・・・孤軍奮闘の相談員の皆様を僕は陰ながら応援し続ける。
メディカルサポネットの連載、菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営の最新記事がアップされました。
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