仕事をするうえで、想像力を発揮しなければならない場面は多々あり、その想像力の差が仕事の質の差に結びつくことも少なくない。
想像すること・・・思い描くことが仕事のパフォーマンスを引き上げることにつながるのだ。
介護労働でもそれは同じである。こうすればこうなるのではないかという結果を想像して、それを目指した介護実践を行うことが、結果的には方法と結果の因果関係を導き出す。
それが介護のエビデンス=科学的介護と云えるのではないだろうか。
だが想像力は経験値によって推し量る力であり、経験値のないところから生まれない。かつて経験したことで学習した内容によって、推し量り見えてくるものが想像力なのである。
同じ読み方をする創造力も同様だ。一瞬のひらめきで創り上がったものがあるといっても、それを創るにしたって自分がいる世界そのものは変えられないのだから、ベースになるのはその人が知っていることである。自分が生きている世界と無関係なものを生み出すことができる人なんていないのだ・・・いるとすればそれは神である。
どんなに斬新なことを考えたとしても、よくよく考えればどれも自分の知識を逸脱するようなものではないことに気が付くはずだ。

逆に言えば、見聞きしたものがないところで想像力も創造力もは生まれないのだ。
繰り返しになるが想像力・創造力とは見聞きしたものをいかに組み合わせるかということであり、想像するということは、経験値を組み合わせることで未知のものを予測するということなのである。
だからこそ経験は大事である。しかし経験するということに失敗が伴うのはある意味当然である。
初めて経験する事柄を、すべて最高の結果で終えられる人はいないのである。中には痛い経験で終わってしまう事柄だってあるのだ。そうした失敗を積み重ねて学習し、より良い結果を生み出していくのが人生であるともいえる。
そう考えると失敗をマイナス点とする人事考課は百害あって一利なしである。マイナス評価を恐れて、経験することそのものを忌避することになるため、そこでは想像力も創造力も生まれなくなるし、生まれたとしても、それはわずかな経験による拙い想像・創造力でしかなくなるのである。
介護事業の生産性を向上させるためには、豊かな想像力・創造力を持つ人材を育て定着させる必要がある。
そうであれば失敗を恐れて新しいことにチャレンジできない職場環境であってはならないことになる。その為には失敗をマイナス点としないで、、それを教訓とできる人事評価システムが必要だ。経験を積むこと自体をプラス評価とする人事評価システムにしていかないとならないのである。
介護人材を確保することが益々難しくなる今後の状況を考えると、単に人材を集めることに躍起になるのではなく、一度張り付いた人材を豊かな才能を持った人財に育て上げる環境づくりが必要である。
その為には、人材育成システムの抜本的見直しが必要な介護事業者が多いという点を事実として指摘しておきたい。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事がアップされました。

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感動の完結編。
