新連立政権と新内閣が発足して、それが介護施策にどのように影響するのかが注目されるところだ。

積極財政派と呼ばれる新首相のもと、介護にも積極的に財政支出がされるのかどうなのか気になるところであり、特に物価高と人件費増に苦しむ介護事業経営者は、来年度にも介護報酬の期中改定が行われることに期待を寄せる人は少なくない。

だが連立政権を組む日本維新の会は、政策提言でも選挙公約でも介護についての具体的施策は示していない。ただし現役世代の社会保険料負担を今以上に増やしてはならないとしており、介護給付費の引き上げによる介護保険料負担増にブレーキをかける懸念もある。
新閣僚
そのような中、高市新首相は21日の記者会見で、早期実施を目指す物価高対策の一環で医療・介護現場への支援策も講じると明言。「診療報酬・介護報酬の改定時期を待たずに、病院や介護施設の経営改善、働いている方々の処遇改善につながる補助金を前倒しで措置する」と述べた。

これを受ける形で高市早苗内閣の発足に伴い就任した上野賢一郎厚生労働相は22日、初登庁して記者会見を行い、医療・介護現場への補助金の支給について、「具体的な施策をいま検討している」と説明。「物価高などで経営が非常に厳しいということは承知している。何らかの対応を検討する必要がある」との認識を示した。

ここで注目すべきは医療・介護現場への支援策について、「物価高対策」・「経営改善」という言葉が入れられていることだ。

例えば厚労省は8/26に行われた自民党の厚労部会で、来年度予算の概算要求について、重点施策の柱に医療・介護・障害福祉分野の賃上げを実現するため、「事項要求」として近く財務省へ提出する方針を明らかにしているが、ここでは物価高対策経営改善という言葉は一言も出されておらず、期中改定が行われたとしても、それは介護事業経営の改善にはつながらない、処遇改善加算の上乗せのみになるのではないかと懸念されていた。

今回そうではないという方針が示されたわけである。

しかも新財務大臣は片山さつき氏である。旧大蔵官僚出身の片山氏は、新首相と同様に積極財政派で、財政抑制派が主流を占める現財務省官僚とはそりが合わないと云われている。そしてそうした官僚とのバトルを辞さない骨太の政治家でもある・・・ような気がする。

期中改定という財政出動に対する高いハードルとなるであろう財務省と、新内閣が今後どのようにパワーゲームを繰り広げるのかが注目されるところである。

おそらくそれは我々の耳目が及ばない水面下で激しく行われることとなるのだろう。

介護報酬の期中改定は、介護事業経営者の懐の肥やしにしようというものではなく、社会のセーフティーネットとしての介護事業が経営の危機に瀕し、それがセーフティネットの綻びに繋がり、そこから零れ落ちる人々が社会の片隅で制度の光を受けずに野垂れ死にしていくことを防ぐために必要とされるのである。

だからこそ新首相の発言には大いに期待したいし、大いに応援したいと思うのである。
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