なんとも腑に落ちない犯行である・・・。

埼玉県鶴ケ島市の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で22歳の元職員・木村斗哉容疑者が、2名の女性入所者(ともに89歳)を殺害した事件はピンポイントで就寝中の被害者を襲ったとしか思えない。

しかし木村容疑者は取り調べに対して、「被害者に恨みはない」とも供述していると報道されている。

ではなぜ過去に自分が勤務していた施設内に侵入して、階の異なるそれぞれの利用者の部屋に押し入り、「恨みはなかった」という利用者の首を絞め、ナイフで胸のあたりを刺し殺害したのだろうか。この殺害方法には強い殺意を感じざるを得ない。しかも被害者2名以外の他の利用者には全く手を出していない。本当にわけがわからない事件である。

殺害された被害者と、そのご遺族の無念の思いは計り知れない。本当にお気の毒としか言いようがない。合掌。

同容疑者は事件の起きたホームに2024年7月まで勤務していたが、体調の悪化を理由に自主退職したそうである。

事件当日は、深夜に自宅から直線で20キロほど離れた老人ホームまで自転車で直行して犯行に及んでいる。自転車を利用した理由は、「金がなく電車賃が払えない」というものらしいが、わざわざ20キロも自転車に乗って人を殺しに行くということは、被害を与えたい人物がそこに居たという意味にしか思えない。そんな理由はあるんだろうか。

容疑者は自宅のドアをシャッターを下ろして何かから隠れるような行動をとっていたとのこと。精神疾患も疑われ、今後明らかになるであろう経緯や犯行動機に注目が集まる。

それにしても夜中に元職員が簡単に施設内に侵入できる状態はあまりに防犯意識に欠けているとしか言いようがない。やまゆり園事件の教訓が生かされていないと思う。

このホームは電気錠を使っていたと思われる。
電気錠・テンキー
電気錠とは鍵を使わずに外部からの出入りはテンキー操作をして暗証番号を打ち込むことで開錠できる方式だ。

そのため容疑者は勤務していた当時に把握していた数字を使って開錠したという・・・つまり容疑者が退職した昨年7月から現在まで、テンキーに入力する暗証番号を変えていなかったということだ。

これは考えられないことだ。

暗証番号は簡単に変えられる。それは変えなければならない必然性が高いという意味でもある。なぜなら番号を知る人が増えれば増えるほど、外部からキー入力のみで出入りできる人が増えるからだ。それは極めて無防備な状態と云える。

だからこそ夜間は外部からのキー入力では入れないようにしておき、出入りは施設内に居る者が、安全確認して開錠するように設定する必要がある・・・これは電気錠を使っている場合の最低限の防犯対応だ。当該有料老人ホームは、それさえ行っていなかったことになる。

また暗証番号は、退職者が出るたびに変更するだけではなく、半年〜1年周期でランダムに変更する必要がある。それは電気錠を設置している事業者の防犯対策というものだ。

そうした対応を取っていなかった当該有料老人ホームは、人の暮らしを護る場としてはあまりにも無責任で、過失責任を問われても仕方がない状態であったと云わざるを得ない。
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