10/9に行われた社保審・介護保険部会の、(資料2)地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)には、「 居宅介護支援事業所において介護予防ケアマネジメントの一部委託が一定進んでいる実態を踏まえ、地域包括支援センターのさらなる業務負担軽減や、居宅介護支援事業所における円滑なケアマネジメントを促進する観点から、利用者の属性を問わず、介護予防ケアマネジメントについても居宅介護支援事業所が直接実施できる体制を検討してはどうか」という論点が示されている。
このことについてネットニュースなどでは、『介護予防ケアマネジメントについて、厚生労働省は居宅介護支援事業所が直接実施できるルールを新設する方針を固めた』という見出しが躍っていた。
それを見て僕は首を傾げた。2023年度制度改正で、要支援者の居宅サービス計画は、地域包括支援センターから委託されなくても、直接居宅介護支援事業所が利用者と契約してプランニングできるようになっているからだ。
なぜそれが改めて論じられているのか意味が分からないとSNSで情報を求めたところ、静岡県の独立中立型居宅介護支援事業所の経営者A氏から次のようなアドバイスをいただいた。
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要支援者への「介護予防支援(訪問看護・リハビリ・福祉用具貸与・ショートステイが含まれる場合)」は居宅介護支援事業所が直接実施できるようになった一方、総合事業(デイサービス・ホームヘルプ)のみの「介護予防ケアマネジメント」は現在のところ地域包括支援センターから委託を受けないと実施できません。それに言及したものではないかと思います。
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なるほどそういうことかと得心した。これによって市町村の総合事業・介護予防支援・要介護者の居宅介護支援が居宅介護支援事業所の直接業務になるわけで、介護保険制度施行時のワンストップサービスが復活することになる。それ自体は良いことだ。
だがこの改正により、総合事業(デイサービス・ホームヘルプ)を利用する人を直接担当する居宅介護支援事業所が大幅に増えるとは思えない。
なぜなら昨今の状況は、多くの地域でケアマネの求人倍率が上がっている。つまりケアマネの人材不足が深刻化し、居宅介護支援事業所のケアマネジャーも足りない地域が多く、地方部では要介護者のケアプラン作成担当者を探すのも一苦労だという市町村が増えている。
しかも特定事業所加算の担当人数に上限があり、それを超えると加算が取れず、大幅な減収となってしまう。総合事業の利用者も要支援者と同じように担当人数のカウントに含まれてくれば、それらの人を直接受ける居宅介護支援事業所は少なくなるだろう。
よって思ったほ地域包括支援センターの業務負担軽減にはつながらないような気がしているのは僕だけではないだろう。
さて話は変わるが、先週金曜日に東京ビックサイトで行われていた国際福祉機器展&フォーラムで講演を行った。(※参照:国際福祉機器展&フォーラムが開催されています。)
展示物に関しての情報は参照記事をご覧いただきたいが、講演の報告とお礼をこの場で申し述べたい。


講演場所は、上の画像の通りで、展示ブースの前に演壇を置いて話すスタイルで、受講者の方々は立ったまま聴かなければならなかった。
その為、他のブースで行われていた講演等では、一旦立ち止まって耳を傾けた方でも、数分でその場を立ち去るという方が多かった。
ところが僕の講演が始まると演壇の前に続々と人が集まり、その数は100人を超えて、通行にも支障が出るほどだった。そのほとんどの方が45分間、その場を離れず最後まで僕の講演を聴いて下さった。ありがとうございます。
今後も様々な場所で科学的介護について話す機会があると思うので、是非その際は講演会場まで足を運んでください。
ところで今日は体育の日の祝日。自宅でのんびりしている人も多いだろう。そんな方々のために、僕が昨日食べてきたラーメン画像をプレゼントしたい。
それでは皆様、良い祝日をお過ごしください。
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感動の完結編。
