masaの介護福祉情報裏板 : 一本化された後の介護職員等処遇改善加算の事業者対応情報

先日このブログ内で、「処遇改善加算Ⅰの予想外に低い算定率はどう影響するか」という記事を書いて、思った以上に同加算の最上位加算の算定率が低いことに懸念を示した。

そのため僕の管理する介護福祉情報掲示板に、「一本化された後の介護職員等処遇改善加算の情報を集めています～忌憚のないご意見をお聞かせください」というスレッドを建てて、広く関係者の方々のご意見を集めさせていただいた。

詳細は文字リンクを貼り付けたスレッドを見てほしいが、最上位加算Ⅰについては、「算定する事業所または併設する本体事業所で、サービス提供体制強化加算、特定事業所加算、入居継続支援加算、日常生活継続支援加算などの加算の定められた区分を算定している必要がある」という要件があり、その要件の一つが介護福祉士の割合である。

そのため最上位加算であるⅠを算定せず、Ⅱを算定している理由については、「介護福祉士の割合要件がクリアできていない」というものであることが明らかになっている。
一本化された介護職員等処遇改善加算

人材不足が長期化する中で、あの手この手で介護職員を確保している事業者が多い中、多様な働き手を求める結果、介護福祉士の資格を持たない人の割合も増えてしまうのはやむを得ないと云えるのかもしれない。

その中には、外国人の比率が高まることで介護福祉士の割合が下がったという事業者もあった。在留資格「介護」は介護福祉士資格が要件だが、特定技能「介護」や技能実習生は介護福祉資格を要さないため、そのような現象が起こり得る。

最上位加算Ⅰを算定していることを人材確保のための売りの一つにしたい事業者としては、痛しかゆしといったところである。

この加算の配分方法については、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある介護職員に重点的に配分することとしつつ、事業所内での柔軟な配分を認める」とされているため、スレッドで回答されている事業者も様々な方法をとっている。

回答からの印象としては介護職員だけに配分している事業者は少なく、複数の特定職種のみというところも多くはない。支給対象事業所内の全職員に配分という考え方が多いようだ。

それに加えて同加算の支給対象になっていない居宅介護支援事業所についても、「施設ケアマネと同額を事業者の持ち出しで居宅ケアマネにも配分している」としているところもあった。

また同じ職種であっても、人事評定を取り入れて支給額を変えているところもある。この加算の配分については、新加算区分Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を月給（基本給または決まって毎月支払われる手当）の改善に充てることとされているため、この部分での差はつけられないが、残りの額を賞与等で支給する際に差をつけているとのことである。

加算配分等について従業員の不満の有無については、説明を丁寧に行い、質問にも出来る限り丁寧に答えることで、そうした不満の声は聴こえないという意見が多かった。

一般化による利点として、計画書作成などの事務作業が楽になったとの声が数多く聞こえている。

何よりのことである。

ただしこの加算を算定配分してもなお、全職種平均給与と比較すると、介護職員の給与はまだ月額8.３万円も下回っており、更なる給与改善に向けた処遇改善加算率の積み上げや、介護給付費の引き上げが不可欠ではないかと思われる。
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