厚労省は8/26に行われた自民党の厚労部会で、来年度予算の概算要求について、重点施策の柱に医療・介護・障害福祉分野の賃上げを実現するため、「事項要求」として近く財務省へ提出する方針を明らかにした。
事項要求とは、金額などを明記しないもの;秋以降の具体策の調整を念頭においているのが理由

政府は今年6月に閣議決定した「骨太方針2025」に、「公定価格の引き上げをはじめとする処遇改善を進める」と明記しており、これに沿った方針であると云える。

これらは来年度当初となる2026年4月からの介護報酬改定を念頭に置いていることは間違いなく、これによって期中改定の期待は現実味を帯びてきた。
期中改定とは通常の改定時期ではない期間に行われる改定であり、通常ならば次の介護報酬改定は2027年4月の予定であるが、それを2026年度からに前倒しするという意味
夏
しかし概算要求に含まれているのは、あくまで賃上げ分であり、介護事業関係者が強く求めている物価高に対応した報酬アップは盛り込まれていない。

しかも概算要求される対象費用が、処遇改善という言葉で示されていることからわかることは、それはあくまで処遇改善加算の上乗せであろうと思え、その対象になっていない職種に対する新たな賃金改善策に寄与できる費用は含まれていないと思われる。

つまり居宅介護支援事業所の介護支援専門員に対する処遇改善原資となるような予算付けはされないのである。

それが証拠に、厚労省が概算要求で地域医療介護総合確保基金の使途を拡充してケアマネジャーの確保や業務負担の軽減、事業所の経営改善などを、地域の実情に応じて後押しできる仕組みとする構想を示している。ケアマネの処遇改善という方法とは違う形のケアマネ確保策をとろうとしているのだ。

そんな補助金で現状のケアマネ不足は変わらないと思うし、複雑な補助申請手続きを経て、わずかな補助金を受給するより、単純に居宅介護支援費を引き上げ、ケアマネ対象の処遇改善加算を創ればよいだけの話だと思うのは僕だけではないだろう。

そうしない理由はたった一つだ。それは居宅ケアマネの処遇改善は、居宅介護支援費の利用者負担導入と紐づけするという理由だ。

国はこの考え方に固執しているのだろうと思う。そのため居宅ケアマネを対象にした処遇改善加算等の新設があるとしても、それは2027年度の制度改正で居宅介護支援費の利用者負担導入がされた場合のみということになろうと思える。

だが介護事業者からしてみれば、仮に現行の処遇改善加算額が上乗せされても、介護職員をはじめとした支給対象事業所の従業員だけの給与を上げるのでは、職場全体のバランスが悪化するし、従業員間の不公平感を増すことになり、それは事業経営リスクに直結する問題となってくる。

そうしないために、処遇改善加算支給対象外事業の従業員などに対する給与アップも図らねばならず、その原資を確保しなければならない。

そういう意味でいえば、今回の概算要求内容は介護事業経営者にとって決してもろ手を挙げて歓迎できるようなものではない。

どちらにしても介護事業経営は、厳しい社会情勢の中で工夫と忍耐の必要な状況がさらに続くことになる。
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