所属意識をいかに高めるのかが問題(前編)より続く

派遣職員は派遣先より派遣元の登録派遣会社に所属意識を持つ人が多いように感じます。

その人たちが派遣先で、直接雇用されている職員と同様の意識を持つように指導しても、なかなか思うようになりません。

そもそも所属意識とは考え方の問題なのです。行動は規律である程度規制できますが、感情や思考はそうならないのです。でも思考が伴わない行動に発展性はないと思います。

自分が組織に所属している意識が薄いということは、その組織が近い将来どうなろうと自分には関係のないことだという意識が常にあるという状態になります。組織が社会に認められなかろうが、組織経営を続けられなくなろうが、全くそうしたことには興味が持てなくなるのです。そうなっても自分は、働き場所を変えれば良いだけですから・・・。

これは介護事業にとって、致命的結果につながる危険性を秘めた問題です。
日本の風景
介護という職業は、こうすればこうなるというエビデンスが存在しない部分があります。目に見えない介護サービスを利用する人は、感情ある人間ですから、こうしてAさんは喜ばれたけれど、同じ行為を行ってもBさんは喜ぶどころか、気分を害されたということが起きうるのです。

その時、組織に対する所属意識が薄く、規制された行動だけで動いている人に、Bさんの負の感情は伝わりません。仮に伝わったとしても、それを何とかして良い感情に変えようという動機づけは起こりずらくなります。

所属意識の薄い人は、結果がどうなろうと決められて事を決められたとおりに行っておればよいだろうという考えがちです。これは結果的に介護の品質劣化に繋がり、不適切サービスの温床にさえなり得る問題だと思います。

そもそも介護事業者の求人がこれほど多い状況で、派遣社員という身分をあえて選ぶ理由は何でしょう。手取り月給の多さを理由に挙げる人がいますが、退職金制度も含めた福利厚生面をすべて含めて考えると、派遣社員が正職員の待遇を上回ることはほぼありません。

それでもなおかつ派遣という身分を選ぶ人は、一つの会社のルールや人間関係に縛られたくない、上司の顔色を窺って仕事をしたくない、会社組織で高い地位について責任を負いたくないなど、組織の発展向上を目指す考え方とは相反する考え方を持つ人が多いのです。

そういう人たちに対して、組織への所属意識をもって、組織を愛してほしいと訴えてもなかなか通じません。

ではどうしたらよいのでしょう・・・僕はその人たちが組織の未来を創る働き方ができるような処方を持ちあわせていません。無理だろうというあきらめの気持ちしか持てません。

だから僕が社会福祉法人のトップを務めていた間は、派遣職員は一切使いませんでした。アプローチやオファーがあっても全て断っていました。

そのために僕が居た法人は派遣に頼らずに、直接雇用職員だけで必要なケアサービスが提供できる事業者を目指していました。従業員募集の工夫をして法人独自の雇用システムを構築し、なおかつ一旦採用した従業員が不安から離職しなくて済むように、適切な介護知識と技術を獲得できる研修体制なども同時に創り上げました。

こうして従業員が定着でき、その環境の中でスキルと待遇がセットで向上する法人を目指し・実践していました。

よってコンサル先などでやむを得ず派遣職員を雇用している場合は、出来るだけ責任を負わない部署の仕事を任すにとどめ、派遣職員比率を下げるための組織作りのアドバイスをしています。

もともと僕自身は、人の暮らしに深く介入する介護事業に、派遣労働を認めている法律がおかしいだろうと考えています。あくまで個人的な意見ですが・・・。
筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上のをクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。


※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。