国の医療政策の最重要課題は、入院期間の短縮である。
入院は病気やケガが発生した直後の急性期のみに限定し、回復治療や慢性期治療(※療養と言い換えても良い)については暮らしの場で行うように政策誘導している。
もっとはっきり言えば、長期入院させる医療機関は経営が立ち行かなくなるように診療報酬の仕組みを変えているのである。
そのため過去に老人病院などと云われた長期療養型医療機関や精神科医療機関も徐々にその姿を変え、在宅療養支援病院等(※在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所、地域包括ケア病棟(200 床未満)を持つ医療機関、在宅療養後方支援病院等)に姿を変え、その名の通り在宅で療養することを支援するようになっている。
それらの医療機関の入院期間は原則1週間(最長2週間)である。
しかも現在の政府・与党の政策では、今後全国の医療機関の病床数を減らしていくとしており、その目標数は10万床とも20万床とも言われている。
その為今年度は2023年度から2年連続赤字の病院などが対象として、1病床を減らすごとに約410万円の補助金を支給している。(※ただし1医療機関あたりの削減は10床を上限。)
よって今後は、死ぬためだけに医療機関に入院できない社会になっていく。そのため死期が近くなった人でも、これ以上治療効果が期待できない人や、老衰のように治療の施しようがない人の場合は、その人が暮らしている場所で看取られていくことになる。
ということは施設サービスとか、居宅サービスとかいう区分に関係なく、全ての介護関係者が介護サービス利用者の死に際に関りを持たざるを得なくなり、その中には看取り介護のチームメンバーとして関わるというケースも増えていくことになる。

よってすべての介護従事者が、「おくりびと」としての役割を果たさねばならない。看取り介護の正しい知識と援助技術を得る必要があるのだ。
だがそれは決して医療のスキルを介護従事者が獲得していく必要があるわけではなく、介護の知識・技術として獲得していくものである。
なぜなら看取り介護とは、「死」にターゲットを当てて考える問題ではなく、「死」を意識しながらも、そこに至る過程である「生」を支える介護であり、日常介護の延長線上に存在する「終末期という限られた時間」を意識した介護であるからだ。
そこで介護従事者が行わねばならないことは、特別な介護ではなく、死を意識したとしても日常的な介護である。そこでは死を意識するからこそ、看取り介護対象者と様々な関係者との最期のエピソードづくりを支援することが可能となる。その支援機能を大切にしなければならない。
今週金曜日(7/18)大阪市上本町の大阪市立社会福祉センターで行われる大阪市老減主催・看取りケアとターミナルケア研修会では、看取り介護として介護従事者に求められる「おくりびと」としての役割・具体的実践方法を伝える予定だ。
その研修内で上映する、「LOVE〜明日につなぐ介護・大阪編」を編集してバージョンアップした。大阪府の介護関係者の方々にエールを送る動画であり、介護の仕事の使命と誇りを感じ取れて、元気になれる動画だ。ぜひ下記をご視聴ください。
それでは大阪の皆様、金曜日は上本町の大阪市立社会福祉センターで愛ましょう。
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感動の完結編。

1:30の映像は大阪城でなく松本城です
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