僕が管理する介護福祉情報掲示板に先日、「老健の訪問リハビリ 難病医療費助成制度について」というスレッドが立てられた。
ここで情報提供しているように、老健施設からの訪問リハビリテーションは、難病医療費助成制度の対象外となっている。
だがインターネット情報では、介護保険サービスである訪問リハビリテーション(※介護予防も含む)については、「54難病公費」の助成対象となっていると書かれていることも事実だ。
これはそうした情報サイトが間違っているのだろうか・・・いや恐らくそうした情報を載せているサイト管理者の側から言えば、それは必ずしも間違った情報ではないと云うだろう。
介護保険訪問リハ自体は確かに、「54難病公費」の助成対象なのである。しかしいくら難病公費の対象となっているサービスであっても、そのサービスを提供する機関自体が難病医療費助成制度対象外施設であれば、その費用は請求できないということになる。
保険医療機関ではない老健はまさにその対象外施設なのだから、指定難病患者に介護保険訪問リハを提供しても助成されないということになるのだ。
よって介護保険訪問リハビリを行って、難病医療費助成を受けることができるのは、医療機関である病院(訪問看護ステーションを含む)や診療所に限られるということになる。
その為、情報提供サイトに介護保険サービスである訪問リハビリテーション(※介護予防も含む)が、「54難病公費」の助成対象と書かれていたとしても間違いとは言えない。単なる言葉足らずとされるだけだ。
だがそれはあまりにも不親切な情報とも言えなくもない。ネット検索して情報を探す人は、専門知識に乏しい人も少なくないのだから、出来るだけ親切に詳しく解説するに越したことはない。
どちらにしてもネット情報は、間違いではないが不親切な記述や、「抜け」が多いことも事実だ。
例えば、居宅サービス計画がないと介護保険給付サービスが受けられないとか、認定期間の概ね半数を超える期間のショートスティは保険給付されないとか言うのも間違った情報だ。
前者は償還払いで保険給付が受けられるし、後者は介護支援専門員がショートを計画する際には認定期間の概ね半数を超えてはならないというルールがあるだけで、セルフプランやケアプランなしの償還払いサービスにこうしたルールは適用さえされない。
その為、僕が監修者として関わっているマイナビあなたの介護というサイト情報で、実際に僕が監修している介護保険関連記事については、介護の専門知識がない一般の方が読んでもわかりやすいように、丁寧に詳細に解説するように心がけている。
介護関連の情報を確認する際には、是非そちらを参照いただきたい。

ところで最初に解説した老健の訪問リハビリルール・・・これは不公平ルールとも言えなくもない。
同じ訪問リハビリであるにも関わらず、なぜ老健だけが難病公費助成を浮かれれないのだろうか・・・おそらくそれは法令ルールが実務に追いついていないからだと思う。
2000年の介護保険施行当時は、老健からの訪問リハビリは認められていなかった。その後、老健の在宅復帰機能を最大限に生かす目的で、老健からの対象者の自宅でのリハビリ機能を高めるために老健からの訪問リハビリが新設された経緯がある。
その際に保険医療機関ではない老健は、難病医療費助成を受けることができないというルールを変えることなく、訪問リハビリというサービスだけ新規に行えるようにしたことから生じた不公平だと思う。
そのことを知ったうえで関係者がこの不公平を問題視して声を挙げたときに、初めてこのルールは変更されるのではないだろうか。
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