財政制度等審議会(財政審)で、財務省がケアマネジャーのシャドウワークについて、保険外サービスで対応して対価を得ることを推奨する考え方が示したことについて、「財務省の苦言・横槍は毎度おなじみ・・・。」という記事の中で解説した。

その記事で指摘したように、その考え方は財務省がケアマネに好意的姿勢を示したものではなく、給付制限を拡大するための布石でしかない。

現に財政審が5/27に政府に提出した建議では、居宅介護支援費の自己負担導入、要介護1・2の訪問介護・通所介護を市町村の事業へ移管(生活援助から先行実施)を強く求めている・・・さらに利用者2割負担の対象者の範囲を早急に拡大すべきと重ねて主張するとともに、1割負担の原則を改め2割負担を原則にすることを見据えるように提言している。

これらは2018年度の制度改正あたりから財務省が何度も主張しているものだ。仮に居宅介護支援費の自己負担導入や軽介護者の訪問・通所介護の市町村事業への移管が実施された後は、さらに給付が制限できる対象を拡大して提案するだろう・・・そうした延長線上に介護事業者が保険外サービスに対応して収益を挙げるという考え方があることを忘れてはならない。
産福共創
このことに関連して経済産業省が28日公表した報告書の中で、「産福共創」というコンセプトが打ち出されている。

さんふくきょうそう・・・あるいは、さんぷくきょうそうと読むのだろうか?

その考え方は、「地域の高齢者福祉課題の解決」と「介護事業者等の事業収益性確保」の両立を実現するためであるとしている。

詳細は文字リンクを張った報告書を読んでほしいが、その内容を簡単にまとめると、2040年問題と関連して今後急速に高まっていく高齢者の生活支援などのニーズの受け皿として保険外サービスの必要性が増す。その部分を「高齢者・介護関連サービス」として新たに括り直す。そして高齢者・介護関連サービス事業者も、高齢者福祉関係者も互いに歩み寄りながら、地域の実情に応じた新しいビジネスモデルを創っていくという考え方である。

そこではサービス事業者は、収益性だけを追い求めるのではなく、地域の実情やエンドユーザーである高齢者が抱える課題・ニーズ等を踏まえた地域課題への貢献意識を持つこと、そして、自治体をはじめとした高齢者福祉関係者においては、サービス事業者を「連携先」ではなく、地域づくりを共に行う「仲間」として捉え直すことで、サービス事業者が継続的に地域で活動するために必要な経済活動に対して、自治体が有するアセット(資源)等を提供していくことが必要であると指摘している。

要するに、高まる高齢者の介護ニーズに対してすべて公費対応はできないので、それぞれの地域での介護ニーズに対応して、介護事業者は独自の保険外サービスサービスモデルを創りなさい。でもサービス提供する事業者が収益だけ求めては富裕層しかサービス利用できなくなり、大量の介護難民が出現する恐れがあるため、福祉の精神を忘れずに低額対応してね・・・その代わり、地方自治体も融通を効かせて行政対応支援するからね・・・といったところだ。

つまるところ「産福共創」は、究極の介護サービス地域丸投げシステムといったところである。

これを経産省が提言しているわけだ。財務省・厚労省との足の引っ張り合いが激化することも予想に難くない。

そのために高齢者介護制度は魑魅魍魎が跋扈し、益々複雑怪奇なものに変貌していくだろう。
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快筆乱麻masaが紐解く介護の今
CBニュースの連載「快筆乱麻masaが紐解く介護の今」の最新記事「ケアマネ不足の原因は国策の誤り」が5/30アップされました。文字リンク先から参照ください。


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