僕は今、羽田空港のJALさくらラウンジでこの記事を更新アップしている。

昨日の午後に上京し、都内の社会福祉法人の職員研修として夕方18:30〜90分間サービスマナー講演を行い、昨晩は馬喰横山の定宿に宿泊した。その宿を経ち、これから自宅に向かって北海道に帰るところだ。

昨日の講演先は社会福祉法人で、そこの従業員研修の講師役を務めた。そのためできるだけ多くの従業員さんが参加できるように時間設定されている。このように日勤者が勤務を終えた後の講演依頼も多い。もっと遅い時間でも対応は可能なので、希望がある方は是非連絡していただきたい。

ちなみに昨晩の夕食は、講演後一人呑み会と相成ったが、「masaの血と骨と肉〜石狩の学校出身ではなく僕は、胆振(いぶり)がっこう、です。」で紹介しているので参照願いたい。

昨日講演を行った社会福祉法人は、利用者を名字に様付けで呼ぶなどしてサービスマナー意識も浸透しているところだ。そうであってもそうした意識がなぜ必要かを全従業員が確認し、その意識をさらに向上させるために、定期定期にサービスマナー講演を受講することは大きな意義があるように思う。
介護の誇りと使命
介護支援を施しのように勘違いして、利用者に対しサービス提供者が上から目線で対応するところでは不適切ケアが横行し、それが虐待につながるだけではなく犯罪さえ誘発しかねない。

昨日の報道では、滋賀県甲賀市で訪問介護で訪れた高齢男性のキャッシュカードを盗み、ATMで47万円を引き出したとして、窃盗などの疑いで甲賀市に住む訪問介護士の39歳の訪問介護員の男が逮捕されている・・・さらに新潟県妙高市では、介護施設の入所者のキャッシュカードを盗み、ATMで40万円を引き出したとして41歳の介護職員の女が逮捕された。

このような事件によって介護事業に対する信頼は著しく失墜する。逮捕された二人の人生も終了しかねないが、これらの従業員に介護サービス利用者は顧客であり、介護支援者は介護技術を提供するプロとして家族とは一線を画すサービス提供が必要であるという教育ができていたのであろうか・・・。従業員に対してサービスマナー教育を行っていない介護事業者では、いつ何時このような事件が引き起こされないとも限らないのだ。それは即ち介護事業危機に直結するものだという危機感を介護事業経営者や管理職は持たねばならない。

利用者に対するサービスマナー意識の向上は、利用者自身の尊厳や権利を護るという意識を失わせないためにも求められるものであるが、本当に利用者の人権を護る教育指導が行われているだろうか。

それができていないところが多い証拠として、介護保険施設・居住系サービスでは、施設入所したとたん、本人より家族の希望や意見が優先されるケースがよく見受けられる。

例えば、判断能力に問題のない利用者自身が、「施設に管理を任せた自分の預貯金があることを子供に知らせないでほしい」とい希望した場合、その要求は当然かなえられてしかるべきである。

にもかかわらず、「身元引受人である家族に、そのような重大な事実は隠せません」と利用者の意志を無視する施設関係者が存在する。身元引受人は残置物引き取り契約を行っている人でしかなく保護者ではないのだ。そのような理屈は法的根拠も何もない屁理屈にしか過ぎない。

法律を護ることは当たり前だ。しかし法律は所詮文章であるため、人間生活のすべてを規定できない。よって法に規定されないことは、すべて許されるという意味ではな。だからこそ介護支援者にはより高い倫理意識が求められる。

そして倫理とは、人として何が大切かという本質を問い続けるものである。その問いの一つに、介護サービス利用者の人権を侵害する要素を排除するために何が必要かという教育訓練は欠かせない。

横柄な態度、無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている。「そんなつもりはなかった」という言い訳は、人権侵害という結果をもたらした後では、なんの免罪符にもならない。だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となるのが、「サービスマナー」であることを理解せねばならない。

私たちは対人援助のプロとして、いつでもどこでもマナーをもって接することができるように訓練する必要があるのだ。

だからどうぞ、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいてください。
メディカルサポネットの連載・菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営〜Vol.5の最新記事が5/14にアップされました。菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営

待ったなしの生産性向上
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