僕が住む登別市は、東側に苫小牧市・西側に室蘭市があり、ちょうどその中間地点に位置している。
国道36号線を苫小牧方面から室蘭方面に走ると、登別に入ってすぐの交差点を左折するとJR登別駅がある。その交差点を逆側に右折して山に登っていく道路が登別温泉線という道道で、その名の通り登別温泉まで続いている。
その道路の両側には桜の木が植えられており、開花の時期にはその花がトンネルのように道路を覆っている。そのためその状態は「花のトンネル」と呼ばれている。(※下記画像参照ください)

この桜は例年だとGWが終わるころに満開となることが多いが、今年はいつもの年より早くGW真っただ中に満開となり、今は花が散って葉桜になっている・・・しかし遅咲きの八重桜が咲き始めているので、ところどころその花が観光客等の眼を愉しませてくれるであろう。
僕が社福の総合施設長をしていた時には、この時期に特養の利用者をマイクロバスに乗せ、花のトンネルを何度も通って桜を見ていただいていた・・・毎年の恒例行事で、きっと今もそれは行われ続けていることと思う。
だが高齢者介護施設という特性から言えることは、今そこで桜を愛(め)でている人の幾人かは、来年はその花を愛でることは叶わないということだ・・・。
僕たちはそういう人たちに向かい合って、日々の暮らしの支援をしていることを忘れてはならないと思う。
今年の桜がこの世で見る最期の桜になることを意識している人はいなくとも、僕たちはそうなるかもしれない人たちに向き合っているという事実は消すことができない。そういう人たちが日常を営むことに不便が出ないように、地道に黙々と支援の手を差し伸べるのが介護という仕事である。
我慢に我慢を重ねた先に、明るい未来があるとは限らない人々がそこにはたくさん存在するのである。
だからこそ出来ないことから物事を考えて、何もしない人にならないでほしい。できる可能性を求める人であってほしい。
制限ありきの支援思考ではなく、日々の豊かな暮らしを営なむために何をすべきかを考える人であってほしい。
辛い状態・哀しい状態を放置せず、今その状態を変えるために手を尽くすのが真の介護支援である。
哀しみの涙を放置せず、喜びの表情を贈るのが介護である。
対人援助というステージで、利用者の方々と向かい合う貴方・・・どうぞ、そのことを忘れない人でいてください。
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