5月の連休後に、会社に行きたくない人が増える「5月病」・・・読者のみなさんの職場には、そういう人はいないだろうか。
ストレスが原因と言われるこの症状は、介護事業においても深刻な人手不足と直結していく。
4月に入職した新人が、まだ介護実務に精通していない状態で、連休前には先輩に手取り足取り業務を教えてもらっていたのに、GWに入った途端、いつもより人員配置が少ない中で仕事に追われ、ワンオペが増えて戸惑うことが多くなる。
その際に、どうしたらよいかわからない状態に遭遇しても、誰にも相談できない状況となってパニックになってしうなど、想定外の出来事に遭遇した人は自信を失い、自分は介護の仕事に向いていないのではないかと秘かに悩んでいることがある。

そのような状態に新人職員を置かないことが何より大事だが、慢性的な人手不足の現状から、やむを得ずそうした状況が創られてしまう職場もあるだろう。
そのような状況はないとしても、入職後1月間緊張して仕事を覚えていた人は、張り詰めた糸が何かのきっかけで切れてしまうこともある。
そんなふうにしてストレスや不安を抱え込んでいる人が居るかもしれないのが今の時期である。
だからこそ自分の職場と5月病は無縁であるという固定観念は持たずに、悩みと不安を抱え込んでしまっている新人職員はいないかと周囲を見渡してほしい。
5月病といっても、その症状は様々である。適応障害や鬱といった精神症状から、食欲不振や睡眠障害といった身体的な症状もすべてメンタルヘルス不調が原因となってくる。
職場に出られなくなるのは、相当症状が進んでからのことであるから、職場内で周囲の人がちょっとした変化を見逃さないで対応することで、症状の重症化を防いで回復につながるケースも少なくなり。
元気で明るかった新人職員の口数が減ってはいないか・・・表情変化がともしく、無表情で黙々と仕事をこなしている時間が多くなっていないか・・・仕事中のため息が目立つ新人はいないかetc.
周囲が気づくことができる小さな変化は意外と多い。その時5月病の兆候が見られる人は、仕事の愚痴を言ったり、苦しい気持ちを吐き出したりすることで、気が楽になることがある。
だからこそ親身になって話を聞いてくれる誰かが側にいてくれることは、メンタルヘルス不調が悪化しないためには重要なのである。
そんなふうに5月病の初期段階で求められる支援者は、精神科医でもカウンセラーでもなく、職場で優しいまなざしを注ぎ、温かく耳を傾けてくれる上司であることを理解してほしい。
そして5月病とは、新人の誰もが陥る可能性がある状態であることを理解し、もう一度周囲を見渡し直してほしい。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」(2021年10月10日発売)をAmazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。