入学式シーズンでもあるこの時期、僕にとって非常に重要な入学式を昨日行った。

このブログで何度か紹介している、「あかい花介護道場」は、北海道の若手介護人材を育てる目的で、僕が主催し無償で教育・訓練を行う講座である。

入学者の条件は、北海道内の介護事業者に勤めている20代の介護職員で、月1回のペースで2年間行う全講座に参加できる人というものだ。

その条件を受け入れて選考された人については、毎月1回休憩1時間を挟んで6時間の座学を受講することになる。全24回の講座受講が卒業の条件だ。

ただしこの道場で教える生徒は1期で5人に限定している。この道場は授業料も無料であるだけではなく、生徒の昼食代など僕のポケットマネーで運営しているため、人数が増え過ぎては持ち出しが増え過ぎて運営困難となる。また授業のないときも生徒の悩みの相談に応ずるなど、自分が目と手を行き届かせるためにはその数以上の面倒は見られないという事情もある。

そのような考えで、2年間で5本のあかい花を育てるのである。

先月2年間の授業を終えた5期生が卒業していった。彼らはそれぞれのステージでどのような花を咲かせてくれるであろうか。僕は遠くからそっとそれを眺めている。
五本のあかい花
そして今月も新たな5本の花の種たちが全道各地から集まってきた。彼らの入学式と最初の授業を昨日行った。

入学式と言っても特別な式典を行うわけではない。今年入学した5人は別々の地区で働いており、昨日が初対面であったので、簡単な自己紹介を行った後、2年間の学びの場で伝えることの主旨やその意味を説明した。

特段の事情がない限り月1回の学習会には必ず参加する必要があることなど、諸々の覚悟を促して最初の授業を行った。最初は緊張と戸惑いの表情を見せていた5本の花の種たちではあるが、授業が進むと表情が豊かになり目を輝かせてくれるようになった。

今回も良い栄養分を与えることができることを信じて全力で彼らに僕が持つ情報と知識を伝えようと思う。

活動12年目にあたる今年の生徒は、6期生にあたる。今まで咲かせた花は25本・・・その数が2年後には記念すべき30本に増えるというわけである。

昨日は初対面の彼らの顔を、僕の記憶の中に深く刷り込んだ。そして2年後の卒業時に、その表情がどう変わっていくのかという想像と期待を胸に、最初の授業を終え、それぞれの居所に帰る生徒を見送った。
5本のあかい花の種
僕のあかい花道場は、生徒の未来を縛ることはない。道場を卒業後、彼らがどのような道・どのようなステージに進もうと自由である。必ずしも介護の仕事を続ける必要もないし、そもそもそうした未来の義務を課す権利を僕は持ちあわせていない。

彼らが将来どのステージで活動の場を得ようとも、この2年間で伝えることは人として生き、人として成長することに対して何らかの意味を持つ者になることを期待している。

どこで彼らが咲こうとも、誰かのあかい花になることを信じている。


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