昨日から福岡県朝倉市に滞在している。昨日は19時から朝倉市内の社会福祉法人さんの職員研修としてサービスマナー講演を行った。
(※ちなみに講演後は主催者の方と懇親会を行ったが、その際の食事メニューは「私の、叔母池、に落ちました。」で紹介しているので参照してください。)
サービスマナー講演と言っても、一般企業で行う挨拶の仕方とか、お辞儀の姿勢。電話対応などという内容ではなく、まずは介護サービスを利用する方々に対して顧客意識を持たねば大変なことになるという話をしている。
そして顧客意識を持たない介護従事者が、感覚を麻痺させて過去に引き起こした事件や事故を具体的に示したうえで、そうならない方法論・実務論を伝えている。
他者の人権を護るためには、人間尊重の高い意識が必要になるが、人権を蹂躙し他者の心を殺すことは容易いということも伝えている・・・場合によってそれは顧客である介護サービス利用者の方々の命を奪うとい行為にも結び付くものなので、介護事業に必要とされるサービスマナー教育は、すべての介護事業者で定期的に行ってほしいと思う。
マナー意識に欠くことが人の命を奪うなんて大げさだと思う人が居るかもしれない。しかし事実、哀しいことではあるが介護事業者における虐待死亡事件は、過去に何度も起きている。
しかしその中でもショックが大きかった事件と言えば、介護付き有料老人ホーム・Sアミーユ川崎幸町で起きた連続殺人事件ではなかったか・・・。
救急救命士の資格を持つ介護職員が、4階のベランダから歩行不可能な利用者3名を投げ落として殺害したという残虐な事件・・・転落したその日は、3日間とも今井隼人(※現在は死刑囚)という介護職員が夜勤をしており、そのフロアの利用者が被害者となった。
物的証拠がなく状況証拠のみであった本事件であるが、今井死刑囚は逮捕直後に犯行を自白している・・・しかしその後、犯行の否認に転じ、1審裁判では黙秘、2審では否認を貫いた。だが結果的には1・2審共に死刑判決が下された。
その為、被告は2022年3/18付で最高裁に上告したが、翌2023年5/11、被告自身が最高裁への上告を取り下げたため、同日付でIの死刑が確定した。
下記のユーチューブ動画では、今井死刑囚がなぜ黙秘や犯行の否認を行ったのか。それを転じてなぜ自身で上告を取り下げて死刑確定という道を選んだのか、そして犯行動機や犯行時の心境はどうだったのかを綴った手紙が取り上げられている。
終の棲家として選んだ最も安心であるべき場所で、最も信頼を寄せるべき介護職員に投げ殺された3名の死の真相の一端に触れた動画・・・介護の闇を振り払うためには、こうした事実を把握しておく必要もあるだろう。
10年以上前に起きた事件で、犯人に死刑が確定している事件ではあるが、再び同じ悲劇・惨劇が起きることがないように、今月入職した新人職員たちにも、過去の事実として知らせておくべき犯罪だと思う。
希望を胸にしているフレッシュな人々が、己の心に闇を抱くことがないように・・・それは必要なことだと思う。
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