上手な文章より伝わる文章に心掛けることが大事ですより続く)
介護事業において支援記録を書く際に一番重要な点は何か・・・それは間違いなく事実を正確に伝えるということだ。

過去に起こった出来事・現在進行形の事柄について、憶測を排除して事実を書き記すことが求められる。

その際に、長々・くどくどとした文章が書かれていると、読む側も必要な情報を抜き出すことに時間がかかってしまう。そこで求められるのが、「一文一義」という考え方である。

一文一義とは、ひとつの文に書く内容はできる限り1つに絞るとう意味である。とはいえ一文一義の文章表現の方法がわからない人も少なくないだろうし、「言うは易く行うは難し」と考えている人もいるだろう。

しかし一文一義分は、さほど難しい技法ではない。慣れさえすれば簡単に書けるだけではなく、記録をとる時間の短縮にもつながるので是非その書き方を習得してほしい。

ではどのようにしたら一文一義の文章を書くことができるだろう・・・その答えは一文一義表現が多い文章を読むことだ。読み手からしか書き手は生まれないのだ。

では何を読めば一文一義文章に出会えるだろう。それは新聞報道記事が最もふさわしいと思う。事実を簡潔に伝える新聞記事こそ一文一義の典型と言えるのではないだろうか。

下記の図を参照してほしい。
一文一義を学ぶことができる新聞記事
先週僕が行った、「リスクマネジメントの観点からの介護記録書き方」という講演スライドの1枚である。

スライドの内容は、今年度の介護福祉士国家試験合格者についての報道記事に見られる一文一義の表現を参考にするものだ。文節を句読点でどのように区切っているかが、この図でよくわかると思う。

また、「合格率は78.3%だった。」ではなく、「合格率は78.3%。」というふうに助動詞を使わないことで、短く的確に事実を伝えている。

さらに「全37回で3番目の高い結果となった。」という後の文章は、「70%代は3年ぶりとなった。」ではなく、「70%代は3年ぶり。」と助動詞のなったが重複しないように削っている。この方が文章がスッキリしてわかりやすくなる。

このように事実を簡潔に、かつ正確に伝える文章の典型文とは、新聞等の報道記事なのだから、新聞記事を毎日読む習慣をつけて、そこでどのように事実を簡潔に伝えようとしているか読み取るように努めることで、自然と書き手としての文章力は向上するのである。

何度かこのブログで指摘しているように、文章力は書く練習をしても向上しない。駄文をいくらたくさん書いても駄文でしかないからだ。

読む力が書く力につながることを理解せねばならない。


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