僕の住む北海道登別市は、今週初めに降り積もった雪も融けた。

春分の日の祝日を迎えた今日も、朝わずかに湿った雪が降ったが積もることはなく、道路はアスファルトが出ている。いよいよ春に向かっていると感じさせる季節になった。

昨日は普段雪が降らない東京都心でも季節外れの雪が降り積もる様子が報道されていたが、その雪も溶けてこれから一気に春めいていくだろう。

そんな祝日であるが、皆さんはどのように過ごしておいでだろうか。新年度を間近に控えて、何かと慌ただしい業務をこなしている人も多いことだろうが頑張ってほしい。

介護業界は慢性的な人手不足であるが、だからこそ新年度に学卒者などが気持ちよく入職して、社会人として成長できる職場環境が必要とされている。それができているかを隈なくチェックして万全の準備を整えておかないと、他事業者に人材確保競争で負けてしまう。それは即ち介護事業経営の継続にも影を落とす問題であることを自覚して、全職員を挙げての取り組みが求められている。

さて話はかっわるが、僕が管理する介護・福祉情報掲示板に、昨日(3/19)法人内部の居宅介護支援事業所の統合に関する質問スレッドが建てられた。

現在2つある居宅介護支援事業所のうち、一つの事業所を廃止して統合しようとしているが、その際に廃止された事業所の利用者について、担当ケアマネが変更されなくとも、統合された新たな居宅介護支援事業所と新規契約を交わして、居宅サービス計画を作成しなおさねばならないかという質問である。

これに対して僕は、平成2年8月3日付で発出されている介護保険最新情報Vol.862「事業所の吸収分割等に伴う事務の 簡素化について」を根拠資料として示したうえで、下記の取り扱いが認められているため、再契約やケアプランの作成しなおしは必要ないという考えを示した。
事業所と利用者が行う手続
・ 介護事業所の利用契約の再締結を不要とすること(会社法に基づく吸収合併については、合併後の法人は合併前の旧法人の権利義務を承継する)
・ ケアプランの変更を不要とすること(利用者の希望による軽微な変更扱いが可能)


ところが質問者はその回答に対して、『資料内では「別法人」への吸収合併等で記載されてましたが、今回のケースである「同法人内」の場合も同様の考え方でいいと解釈してよろしいでしょうか。』という質問を重ねてきた。

・・・はっきり言って馬鹿かと云いたくなる。なんという理解力のなさであろうか。
理解力とは?
別法人との合併でさえ、利用契約の再締結を不要とするなどの事務簡素化が認められているのに、どうして内部の事業所の統合にそのルールが適用されないと思うのだろうか。

世の中のすべての事象を取り上げてQ&Aを作成するなんてことはあり得ないので、一つのQ&Aからそれと同様あるいは、その範囲内であろうと思われる事象に及ぶ問題は同様の取り扱いをするという、ごくごく当たり前の理解が必要である。

そもそも根拠資料のタイトルは、「事業所の吸収分割等に伴う事務の 簡素化について 」とされているのだから、等の中には法人内の事業所の吸収=統合も含まれて、同様の取り扱いであると理解できない方がどうかしている。

こうした理解力のなさは、融通性の欠如に通ずるような気がしてならない・・・ケアマネジャーの仕事は、多様性のある人間個人個人の暮らしに介入していく仕事であって、そこでは定型ができにくい暮らしの支援が求められてくる。その際に多様な価値観を持って、融通性のある考え方で利用者対応することが必要不可欠だ。

一から一しか読み取れないようなケアマネでは駄目だ。もっと理解力を高めて、一から複数のものを読み取って理解することが融通性にもつながる。融通性に欠ける人はケアマネジャーに向かないのである。

文字リンクを貼り付けたスレッドを建てたケアマネは、果たして求められるスキルを持った人だろうか・・・。

きわめて心配であるというのが僕の本音だ。
3/21(金)13:30〜15:00の予定で無料視聴できるオンライン講演、「安定的成長を目指す介護事業の経営戦略の配信は、いよいよ明日に迫りました。文字リンク先からお申し込みください。
無料配信オンラインセミナー安定的成長を目指す介護事業の経営戦略



※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。