自分の考え方が世の中のスタンダードとずれていることは、ままあるが・・・それにしても信じられないことが起こるものである。

例えば虐待問題・・・今さら言うまでもなく、虐待は大別すると4種類に分かれて、それぞれ以下のように定義づけされている。
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心理的虐待
言葉による脅し、本人以外の家族に対して暴力を振るうドメスティックバイオレンス:DV
身体的虐待
殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束するなど
ネグレクト放棄・無視
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
性的虐待
性的行為、性的行為を見せる、性器をさわる、またはさわらせるなど
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高齢者虐待防止法が2006/4/1施行された以後、虐待通報と認定は増え続けているわけであるが、上記のうち身体的虐待が一番多いことには変わりはない。次に心理的虐待→ネグレクト→経済的虐待→性的虐待となっている。

高齢者介護の場ではここ数年、心理的虐待の件数が増加するとともにネグレクトの増加も目立っていることから、その対策が急がれていることも周知の事実だ。

だが性的虐待については、高齢者介護事業でははほとんどあり得ない行為ではないかと考えていた。

性的虐待の加害者は圧倒的に男性が多いのであるが、男性介護職員にとってみれば、自分より年上でしかもかなりお年を召された女性に対して、異性という感覚をもって、しかもその対象者に性欲を覚えながら対応するなんてことはあり得るだろうか?という疑問を持っていたからだ。

だがその信じ難いことが、しばしば起こっているという事実があり、愕然とする思いでそうした虐待報道を見聞きしている・・・今月もそんな報道に触れた。

今月3/3に逮捕された30歳の男性介護職員が犯した罪とは、宇和島市内にある老人ホームで去年、入居者の90代女性に対し性的な暴行を加えたうえ、その行為をスマートフォンで動画撮影したという信じがたい行為である。
鬼畜の所業
被害者は90歳を超えた方である・・・どうしてそのような行為に及ぶのか理解に苦しむが、どちらにしても身体介護を行う身分を利用しての鬼畜の修行は決して許されない。

罪を憎んで人を憎まずという言葉があるが、こうした破廉恥極まりない犯罪行為に及んだ加害者に対して、そのような言葉は通用しないと思う。ただただ厳罰を望む。

そういえば4年前にも南アルプス市の有料老人ホームで、夜勤をしていた42歳の男性介護職員が、入所する女性(80)の首を腕で絞め付けるなどして強制的に性交し、窒息死させたというレイプ殺人事件が起きている。(参照:介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件

30代・40代の壮年といってよい男性が、介護サービスを利用する高齢者であり、しかも自分の顧客である方を、自らの性欲の対象と見るという感覚は、僕自身にとっては信じ難いことである。

このような報道があるたびに、介護事業に対する世間の信頼感は大いに損なわれる。介護事業が必要悪と云われか寝ない問題である。

採用する側も人物の見極めと、採用後のチェックをより厳しくしないと重大な結果になりかねないと改めて考えてしまう。


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