2/10付で介護保険最新情報Vol.1352とVol.1353が相次いで発出された。
これは介護人材確保・職場環境改善等事業と介護職員等処遇改善加算に関する通知である。
介護事務簡素化が叫ばれているのに、複数に分かれていた従前の加算を一本化している新しい処遇改善加算の事務処理は、相も変わらぬややこしさで、これに対応して事務作業を行う担当者は大変だろうなと気の毒に思う。
特に令和6年度の加算分の一部を令和7年度に繰り越す際の処理や、そのことの意味と結果についての従業員への説明は大変な手間だと思う。説明を受けても理解できない従業員も少なくないだろう。
だが算定要件はいくつかの部分で弾力的運用が認められた。
昨年12/23の介護給付費分科会で、「処遇改善加算の更なる取得促進に向けた方策」として決定された要件緩和については、「職場環境等要件」について、現在取り組みを行っていない場合でも、事業者が来年度中に取り組みを行うと計画書で誓約するか、今年度の補正予算による新たな補助金（※Vol.1352の介護人材確保・職場環境改善等事業）の交付を申請すれば、要件を満たすことにすると明記している。
また今年度中に限って事業者の誓約で満たす扱いとしている「キャリアパス要件」の既存の経過措置について、1年延長して来年度も継続するとされている。
旧特定処遇改善加算の要件であった最低1人以上は昇給後に月8万円アップするか、年収が440万円を超える必要があるという要件については、月額８万円以上の要件について廃止されている。さらに440万要件についても、「 年440万円の賃上げを行うにあたり、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定の期間を要する場合」等、3つの具体例を挙げて、「合理的な説明」があれば、要件の例外として扱うとされている。
これによって上位区分の算定が可能となる事業者も少なくないだろう。
僕が管理する介護福祉情報掲示板には、この通知が出されたことをアナウンスしたスレッドを立ち上げた方がいて、そこでは、「物価上昇もあるなか職場要件を行う原資はどこから出るのか」という嘆きの声も上がっている。
処遇改善加算�気發靴�は�兇鮖残蠅垢襪燭瓩砲蓮◆�職場環境等要件」の「生産性向上（業務改善及び働く環境改善）の取り組み」は3要件、その他の項目は2要件をクリアしなければならない。
そうした要件を満たすための取り組む費用については、賃金改善額とは認められないために介護事業者の持ち出しとなる・・・それは大変痛い出費ではあるが、こう考えることはできないだろうか。
「介護人材は不足から枯渇の流れに・・・。」で指摘したように、これからの介護事業はより少ない人員で業務を回すことが必然になる。
すると「生産性向上（業務改善及び働く環境改善）の取り組み」の要件の一つ、生産性向上委員会の機能は、介護事業者にとって命綱になる。この委員会を立ち上げて、有能な職員を委員に任命し、実効性のある生産性向上につながる改革をしていかねばならない。
介護ロボットもできる限り活用していかないと業務が回らなくなるだけではなく、そうした機器を導入していなければ従業員募集に応募する人も居なくなる。
さらに生産性の向上はテクノロジーに頼るのではなく、５S活動（整理・整頓・清掃・清潔・躾）といった業務管理の手法を取り入れる必然性が増す。
こう考えると職場環境等要件は、加算要件として整備するのではなく、今後の介護事業経営に不可欠な環境整備事項であるとして、この部分に費用をかけていくことを惜しんではならないと考えていくべきではないだろうか。
それをしない介護事業者に労働力は張り付いてこないし、定着しないと考えるべきである。
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感動の完結編。
