年が変わった元旦に記事更新したのを手始めにして、新年になってから昨日までに7本の記事を更新アップしています。

その内容を振り返って読むと、僕自身の意に反して、そのうち3本が介護事業者における不適切ケア虐待に関する内容になってしまいました。

それだけ重大な虐待事案が、年末の介護事業者で起こっているということです。これは由々しき問題と言えます。

特に昨年11月に起きた熱湯味噌汁傷害事件(参照:倫理観と知識の両方が欠けて起きた特養での傷害事件)と、昨年大晦日の熱湯風呂殺人事件(参照:当たり前ができない怖さ〜熱湯風呂殺人事件)の舞台となった特養に対する社会の信頼は大きく揺らいでいます。

僕はそのことに大いなる危機感を抱かざるを得ません。

特養をはじめとした介護保険施設・・・それのみならず介護事業者すべてが、そのような不適切ケア及び虐待の温床となる体質を抱えている存在として、必要悪のように見られてしまいます。

今後、2027年度の介護保険制度改正及介護報酬改定に向けた議論が、制度改正を皮切りにして本格化しますが、こんな状態では介護事業者の経営を安定化させる制度体系には向かっていかなくなります。

国の財源を不適切体質を抱えた事業者により多く振り分けるということもできなくなり、人件費高騰や物価高に対応した給付費アップをという要求は、益々通りずらくならざるを得ません。

介護関係者はそのことに大いなる危機感を抱いて、自ら襟を正して、介護の基本を見直さななければならないのではないでしょうか。

さらに介護事業としてのコンプライアンスを見直していかねばなりません。それは単に法令遵守にとどまらず、企業倫理や社会規範に従うだけでもなく、社会的要請にも積極的に応えながら事業経営するというフルセットコンプライアンスが必要になるということなのです。

当然のことながら、そのためには介護サービスを利用するお客様に対するサービスマナー意識を向上させ、マナーのある対応を浸透させていかねばなりません。

それはわかってはいるが、従業員間にその意識がなかなか浸透しないという介護事業経営者も少なくありません。

しかしそのような悠長なことは言っていられないのです。顧客に対するサービスマナー意識を持つことができない従業員は、切り捨てもやむなしという強い気持ちをもって、職場内のルールを確立させていかなければ、顧客に見放されて事業経営が困難となる時代に変わっていることを理解してほしいと思います。

なぜなら、財政事情からより厳しくなると予測される次期介護報酬改定を見据えると、顧客単価が減らされた分を顧客数増で補う必要があり、今後顧客の中心層となる団塊世代をはじめとした、介護サービス利用者から選ばれない介護事業者は廃業に向かわざるを得ないからです。

下記の画像は僕が作成した「・利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」です。
コンプライアンスルール
原本の利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) は、こちらの文字リンク先からDLできます。

介護事業者において、従業員が利用者に対してサービスマナー意識をもって接することをルール化し、それを徹底させるためには、「利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」を策定して、事業者内に掲示することが重要になります。

方針を高々と掲げて、外部からの訪問者にその内容を示すことが必要になります。それを見て、「その看板に偽りあり」という感じた人からの声を集めることが大事です。

そうした声を、直接指摘された従業員にぶつけて反省を促し、意識向上につなげていく必要があります。こうした意識向上は内科処方だけで実現せず、外科的大手術が必要になると考えてください。

その為に外部の第3者から、大いに文句を言ってもらえるようにしましょう。「利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」の策定・掲示は、そのために必要不可欠な事なのです。
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