介護業界にとって今週一番の衝撃的ニュースは、「中居正広」ではなく、12/25に厚労省が公表した集計結果である。
それによると2023年10月10日現在の介護事業者に所属する介護職員数が約212.6万人となり、前年比で2.9万人減少していることが分かった。
介護人材不足と言われる中ではあるが、介護保険制度開始以後、介護職員数は毎年増加していた。ただし要介護者等の増加数に介護職員の増加数が追い付かずに介護人材不足は深刻化してきたわけであるが、今回の集計では介護保険制度創設以来初めて介護職員数が前年比で減少していることが分かったのである。
一方で要支援者と要介護者は前年比8万人増えているのだから、介護職員数減少の衝撃は計り知れない。
しかも前年比で2.9万人減少いう数字は、外国人材を含めての数だろうから問題は深刻である。
少子化が止まらない我が国においては、日本人若年労働者は全産業で不足し、その改善見込みもない中で、入管法などを改正して外国人が永住できる対策をとってきた。
介護業界でもより外国人材が活躍できるように、介護福祉士試験に合格した外国人は、「在留資格・介護」として家族を含めて日本に永住できる対策をとってきた・・・これは実質、日本が移民政策にかじ取りしたことと同じことである。
そうであるにもかかわらず、介護職員数が前年比減に転じたという意味は、そうした大きな改革をしてきたにもかかわらず、期待したほど外国人材が増えることがなく、介護人材対策として機能していないことが明らかになったということである。

そうなると、今後の介護人材対策としての有効な処方箋は見つからないということになる。介護職員数の減少はさらに加速すると想定せざるを得ない。
その為、介護人材確保は今以上に厳しくなる。今でさえ、「人がいない」と音を上げている介護事業経営者や管理職の方々は先を思いやると暗澹たる気持ちになるだろう。
茨の道を歩む覚悟が必要であるし、人材確保と定着の戦略も深化させていかないと負け組になり、事業廃止が現実的な問題となりかねないという意味だ。
生産性向上の取り組みも待ったなしである。真っ先にすべきことは、介護職員が記録に割く時間を限りなくゼロに近づけるために、生成AIを導入という取り組みを早急に始めることだ。その部分に後れを取る介護事業者からは、介護職員がいつの間にか消滅してしまうと考えねばならない。
外国人材も積極的に取りこんでいく必要があるが、この部分も確保競争が激しくなる。
特定技能・介護による在留資格者も、今以上に取り合いになるだろうから、今のうちから登録機関等とコネクションを形成しておく必要がある。
この部分に関して言えば、「特定技能介護取得者の雇用支援に関わっています」・「外国人介護人材の方々とwinwinの関係を築くために」という二つの記事で紹介したように、僕の顧問先の登録機関を千葉県・東京都の事業者に限って紹介することはできるので、ニーズがある方は連絡してほしい。
どちらにしても地域全体で介護職員が充足することがないということを前提にして、人材確保で勝ち組に入ることが、介護事業者としての勝ち組につながることを前提にした経営戦略が求められてくることを理解せねばならない。
※CBニュースの連載、「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の最新記事が12/26にアップされました。

今回のテーマは、「居宅ケアマネ業務分類を巡る一考察」です。文字リンク先を参照下さい。
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勝ち組になる為に記録のAI化などにしていかないととわかるのではありますが、実行ができていません。勝ち組ではなく、事業者同士の支え合いや国からの簡単で分かりやすい支え合いがなければ生き残れないと感じます。
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