月曜から愛媛県松山市と四国中央市に滞在し、昨日夜8時過ぎに登別の自宅に帰ってきた。

4日ぶりに戻った北海道は、愛媛県より10度近く気温が低いのでさすがに寒く感じるが、今年はもう道外出張はないので、寒い北海道で年を越して寒さや雪が当たり前の感覚になっていく・・・これも毎年のことである。

道外出張がないといっても、年内における道内での出張講演はまだ複数予定している。

実は今日も朝早くに自宅を経ち、自家用車で約1時間走って苫小牧市に滞在している。苫小牧市市民会館で行われている令和6年度・日胆地区老人福祉施設職員研修会で、13:20〜120分講演を行う予定があるためだ。

この時間からの講演だと、昼少し前に自宅を経てばよいのであるが、午前中に北海道老人福祉施設協議会の瀬戸会長が、「令和6年度制度改正の検証」というテーマで講演を行う予定になっていた。

瀬戸会長はかねてからの知り合いで大変お世話になっている方である。その会長がどのような制度改正の検証を行ってくれるのかに興味があったし、ご挨拶もしたいと思い、その講演を聴くために早い時間から会場入りした。

先ほどその講演を拝聴し終えたが、さすがに格調高い講演で大変ためになった。今後の参考になるお話で、早く来た甲斐があるというものだ。

さて午後からは僕の講演が控えている。テーマは、「虐待・不適切ケアを防ぐサービスマナー」である。

瀬戸会長のような格調の高い話はできないが、実務に役立つ話をしようと思う。
新しい介護ストーリー
このブログで何度か指摘しているように、虐待を行わないサービス事業者が良い事業者という訳ではないのである。利用者を虐待しない介護事業者というのは極めて当たり前のことであって、非常識で普通でない状態をなくすというのが虐待防止の本当の意味である。

そのことをしっかりと伝えながら、非常識であり得ない虐待行為として、どのようなことが行われているのかという具体例を示したい。そしてその根本原因と予防対策を具体的に伝えたいと思う。

人の心は案外簡単に殺される・・・しかし他者の心を殺した人間もどこかが壊れていく。そして自身が犯した行為のしっぺ返しを受けるかのように、不幸な末路をたどる例は枚挙にいとまがないほどである。

そうならないための当たり前の介護実践方法を伝える予定だ。それは決して特別な方法論ではなく、難しい方法でもないことを理解してもらいたい。

私たちが携わる対人援助という仕事は、利用者の暮らしを豊かにする仕事である。その本来の目的を忘れずに、利用者の暮らしの質を高めるために手を差し伸べよう日々努力することにやりがいを感ずるような健全な心を持ち続ける原動力は、利用者の心からの笑顔ではないだろうか。

そういう意味で言えば、利用者の心を護り、幸福な暮らしを創造することとは、私たち支援者自身の心を護るということではないかと思ったりする・・・。

その為には何が必要かを考えてほしい。

私たちが介護実践の場で求められている姿勢とは、家族のように遠慮ない関係で、馴れ馴れしく接してサービス提供することではないのだ・・・介護支援のプロとして、適切な知識と確かな技術をもって、利用者に向かい合う場の理念を達成する方法論を持つことで、介護サービスの場は利用者にとって、どこよりも安全で安心した暮らしの場となるのである。

対人援助とは「人権」を護ることを何よりも重要であると考えるべき場であることを忘れないようにしなければならない。その基本原則を守り続ける限り、目の前の一人一人の利用者を幸せにすることができ、その利用者の笑顔や穏やかな暮らしぶりを見る家族の幸せにもつなげることができるのだ。

そのように介護という職業は無限に広がる幸せ樹形図を描くことができる職業だと思う。

しかしタメ口対応をはじめとした、サービスマナー意識のない対応は、幸せ樹形図ではなく哀しみの樹形図を無限に広げる元凶になりかねない。

介護の介とは、「心にかける」という意味である。そして介護の護とは、「まもる」という意味だ・・・心にかけて護るためには、自らの心無い言葉で人を傷つけてしまうことを誰よりも恐れる必要があることをしっかりと伝えたいと思う。

さて、そろそろ準備を始めようか・・・それでは受講者の皆様、あらためて会場で愛ましょう。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
CBニュースの連載、「快筆乱麻masaが読み解く介護の今107・協力医療機関指定義務化で変化が求められる施設対応」がアップされています。文字リンク先を参照ください。


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