今年6月に書いた「より重大視される施設ケアマネの役割」問記事の中で僕は、「今後の運営指導では、LIFEへの情報提出と共に、フィードバックのPDCA活用の状況が、現在までより細やかにチェック受ける可能性が高く、運営指導時にPDCA活用の内容を説明できないと指導対象となり、場合によっては加算返還という事態になりかねない。」と書いた。
これは2024年度の介護報酬改定に対応したLIFE(科学的介護情報システム)の新フィードバックが10月から行われる予定であるとされていたためである。
昨年度までの実地指導ではPDCA活用できるフィードバックが行われていなかったため、運営指導では事実上フィードバックのPDCA活用のチェックは素通りして行われてこなかったが、新フィードバックによってその状況は変わり、運営指導でも必ずチェックが入るという意味である。
しかしどうやらフィードバック活用の運営指導でのチェックは今年度は間に合わない模様である。
というのも11/22に発出された介護保険最新情報のVol.1329によって、介護報酬改定に対応した「令和6年度版フィードバック」は11/26〜段階的に行われると通知されたからである。
しかも肝心の利用者フィードバックは令和7年1月以降となっている。それも段階的に行われるのだから、多くの介護事業者の利用者フィードバックは来年度以降となるだろう。
そうであれば公平性の観点から、フィードバック活用の行政指導も来年度以降とせざるを得ないと思う。
フィードバック活用とはPDCA活用という意味だ。それは利用者各々の個別のケアプラン再作成にフィードバック内容を、何らかの形で反映させるという意味である。
だからと言って、フィードバックが行われた月に、即PDCA活用せねばならないとはされていない。さすれば利用者各々のケアプラン(施設なら施設サービス計画書、通所介護なら通所介護計画書)の再作成時にフィードバックを反映させればよいことになる。
仮に1月に利用者フィードバックが行われた場合、それ以降の当該利用者のケアプランの再作成時に活用すればよいと思う。
ところでフィードバック活用は、具体的にどう行えばよいだろうか・・・これについて具体的な内容を示した法令根拠等はどこにもない。だからこそ事業者判断で活用しているということを説明できれば良いということになる。
そもそも新フィードバックはLIFE新システム稼働の日に思うことという記事で指摘したように、現場に丸投げ感満載で、その内容を解析するのも事業者自身とされているようなものだ。だからこそフィードバック活用とは何ぞやということは、自由に広げて考えて良いのだ。
国の説明によると新たなフィードバックは、今まで身体機能や精神状態が維持・向上しているかどうかは、事業者の感覚でとらえたものでしかなかったが、新フィードバックはその点を明確にしていると云う。なぜなら全国平均値や地域平均値と比較して、科学的かつ明瞭に維持・向上できているか、衰えているのかなどの判断が可能となっているというのがその理由だ。
そうであれば利用者フィードバックについては、全国平均値などと比べて劣っている部分・・・維持・向上できていないとされる部分について、計画再作成時にどのようにしたらそれが向上するのかということを検討し、議事録や課題分析内容にそれを記録しておくことが大事になる。さらにケアプラン目標をそれに合わせて変更し、向上に向けた具体的内容を一つ以上加えておけば良いだけの話である。
あまり難しく考えずに、運営指導時にフィードバックはこういう考え方で行っていますと説明できさえすればよいと考えて良いと思う。
オンボロシステムとオンボロフィードバックで、何か得るものなんてないのだから、この部分で知恵と時間を使うのはあまり意味がないのである。
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