僕は昨日、北海道登別市の自宅を経って大阪入りしています。

今日午後から大阪市老連の研修講師を務めるための大阪前日入りです。大阪市老連さんには、15年近く前から毎年ご招待を受けており、コロナ禍でもそれは途切れることがありませんでした。とてもありがたく思っており、今日も心を込めて介護の実務論を伝えたいと思います。

ですが昨日も講演を行っています。

大阪伊丹空港にほど近い豊中市の特別養護老人ホーム・アイテラス利倉さんの田原施設長さんともかねてより親交があり、大阪で仕事がある際は、同園にお邪魔して研修講師を務めることも恒例となっているのです。

そのため昨日は同園職員研修講師も務めました。大阪着後の16:00〜17:00の60分間、「ストレスコーピングとアンガーマネジメント」をテーマに講演を行った後、17:10〜18:00まで、チームケアを円滑に行うための報連相の重要性などをテーマにしたパネルディスカッションを行いました。

同園の職員さんだけの少人数の研修でしたが、活発に意見交換がされており、大いに盛り上がりました。僕自身もとても気持ちよく講演&パネルディスカッションを終えることができました。

研修後は明日までの宿泊ホテルがある天王寺に移動して、アイテラス利倉の皆様とオフ会を愉しみました。その際のメニューは、「masaの地と骨と肉〜景品、何個つ、いてるの?」で紹介しておりますので、どうぞご参照ください。

今日の大阪市老連主催講演は看取りケアとターミナルケア研修会として行う講演です。
大阪市看取り介護講演
そこで死んでいる人がいるというだけで、看取り介護・ターミナルケアを行っていると勘違いしている介護関係者がたくさんいます。

それは少し違うと思います。看取り介護・ターミナルケアとは、限られた命の期限を意識して、旅立つ人と、送る人の双方に意味があるエピソードづくりを支援する意味があります。今日はそうしたエピソードづくりの実際のケースを複数紹介して、日常ケアの延長線上にある終末期支援・・・人生の最終ステージを生きる人に寄り添う方法論を語ります。

上本町の大阪市社会福祉センターでお愛する皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

ところで今朝ネットニュースを見ていた時、気になる記事がヒットしました。

それは東京都内の住宅型有料老人ホームに関する記事でした。そのホームでは給料遅配・未払いが原因で、多数の職員が一斉退職しており、利用者対応が満足にできない状態になっているという報道・解説記事がネット配信されているのです。

張り付けた文字リンク先の動画と記事を参照してほしいのですが、利用者が2週間以上入浴もできなくなっているなど、最低限のサービス提供しかできていない現状が明らかにされています。リンクを張った以外の複数の報道記事がネット配信されていますが、経営者は「法務対応している」という一点張りで、満足なサービスができていないことについては全く言及せず、経営責任を放棄しているかのような姿勢です。

そのために、そのホームに住む利用者の方々は生きるだけが精いっぱいといった悲惨な状態となっているのです。

実はこのような問題は、今回報道された有料老人ホームに限ったことではありません。全国様々な地域で、経営が行き詰まった老人ホームの経営者が、経営と運営責任を果たさずに廃業するという事態が多数報道されています。

そうしたケースのほとんどが、利用者の暮らしを一切顧みることなく悲惨な状態を創り出す状態を生んでいます。そしてその中には廃業手続きを弁護士任せにして、行方をくらます無責任極まりない経営者もいます。

有料老人ホームの入所者の方の中には、終生の暮らしの場を得るために、財産を全部つぎ込んだ人もおられるはずです。そういう方が、ある日急に廃業するからどこかへ行ってくれと言われるのです・・・それによって行き場のない介護難民が作られているのです。

こんなことが許されるのでしょうか・・・住宅型民間有料老人ホームは、都道府県の指定事業でもなく、届け出で経営できるため、実質行政指導の守備範囲も及ばないからと言って、あまりに経営者は無責任過ぎると思います。

しかし物価高や人件費高騰、人材不足の介護業界を眺めると、今後ますますこうしたケースは増えると予測できます。それに対して、経営が行き詰まったとしても、利用者の暮らしに支障が出ないようにして、速やかに他の行き場所を確保するなどの対策をとるように、経営者に責任と義務を負わせる法整備・法改正が必要ではないでしょうか。

報道されているような無責任な老人ホーム経営を許さない健全な社会を作る必要があるのではないでしょうか・・・少なくとも私たち自身は、そうした責任を最後まで果たす人間でありたいと願いますし、そう心がけることを誓います。


※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

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