今日のタイトルに掲げた1.576.016人という数字は何を表しているかご存じだろうか。
実はこの数字は、2,023年の日本の死者数であり、前年比で6.966人増えており、死者数は戦後最多となっている。
ただし死者の増加数は、コロナ禍の影響があった2022年(2021年と比べての増加数)の方が上回っている。だがどちらにしても、「2030年には約160万人の死亡者が出る」という国の予測を上回り、それより早い段階で年間死者数が160万人に達することは間違いないと思われる。
それまでに死に場所の定まらない「みとり難民」が生まれないように対策を急がねばならない。
特に老衰死が増えているため、高齢者の暮らしの場で看取り介護・ターミナルケアを受けることができるように、2024年度の介護報酬改定のテーマの一つとして、居宅サービスに看取り介護・ターミナルケアの強化を求める加算新設などを行った。
居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算の対象について、末期がん患者であることという縛りを解いて、すべてのターミナルケアに広げたのもその一環である。
しかしいくら加算を新設して、その算定要件をクリアする事業者が増えたとしても、看取り介護・ターミナルケアの本質を理解することなく、暮らしの場で人が死ぬという過程で、算定要件をクリアすることだけに躍起になっている状態では、本当の意味でみとり難民が発生していないとは言えない。
現に看取り介護加算やターミナルケア加算を算定していながら、悲惨な状態で見捨て死のように、もがき苦しんで亡くなっている方もいる。
特養やGHでは、そこで死んでいるというだけで看取り介護を行っていると勘違いしている人も少なくない。
看取り介護とは、看取る側・看取られる側の双方、あるいは一方が、回復不能な終末期に置かれているという時期を意識して介護を行うことに意味がある。残された限られた時間を意識し、その時間を大事に思うことから始まるケアが看取り介護・ターミナルケアである。
そうした看取り介護の本質と、本物の看取り介護の実践に結びつけるための方法論を伝える講演を大阪市で行う予定が入っている。
大阪市老連主催の、「看取りケアとターミナルケア研修会〜命の尊さ!バトンを繋ぐ意味」は、10月11日(金)15:00〜17:00の予定で、大阪市社会福祉センター3階第1会議室(大阪府大阪市天王寺区)で開催予定となっている。
会員以外の方も参加受付できるそうなので、参加希望者は是非張り付いた文字リンク先から申し込んでいただきたい。
看取り介護・ターミナルケアは、人が最期の瞬間まで尊厳を持つと同時に、生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護である。
だからこそ看取り介護・ターミナルケアは、「する・しない」、「できる・できない」と判断する問題ではなく、日常介護の延長線上に、ごく普通に看取り介護・ターミナルケアの実践があって当然であると考えるべき問題である。
そのため、看取り介護・ターミナルケアスキルは、すべての介護関係者が当然備えておくべきスキルであり、自宅で看取り介護を受けている人が、ショートステイや通所介護利用するケースも増えていることを踏まえて、所属するサービス種別に関係なく、様々な関係者がこの研修会に参加してほしいと願っている。
それでは10/11は、大阪・上本町の大阪市社会福祉センターで愛ましょう。
※CBニュースの連載・masaが紐解く介護の今の最新記事が9/26にアップされました。
今回のテーマは、「介護支援専門員に求められる役割とは」。文字リンクをクリックして参照ください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」(2021年10月10日発売)をAmazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。