北海道中央自動車道(高速道路)で14日、新千歳空港に向かっていた北海道中央バス(小樽市)の高速バスが炎上するという事故が起こった。
幸いなことに乗員・乗客全員が避難し怪我人は出なかったが、車外に脱出直後にバスは炎上したとのことだから、一歩間違えば大惨事になるところだった。
火災原因は、エンジン付近のオイル漏れだとみられている。
この事故の報に触れたとき、そういえばつい最近・介護事業者でも車両火災事故が起きていたなと思った・・・悲惨極まりない通所介護送迎車両出火事故という記事で紹介した、8/17(土)に起きた通所介護「ニチイケアセンターまめじま(長野市)」の送迎車火災事故のことである。
リンクを貼りつけた記事を書いたときには、女性利用者(101歳)が全身やけどを負ったものの意識はあり、従業員の女性(56)が意識不明の重体で救急搬送されたと報道されていた。
しかしその後の続報では、女性利用者(101歳)が8月27日朝、搬送先の病院で死亡し、運転していた介護職員の56歳の女性は、その時点ではなお意識不明の状態が続いていると報道された。
事故直後、「痛い・痛い」と泣き叫んでいたという101歳の女性利用者・・・100歳を超えてなお在宅でお元気にサービス利用もできていた人が、このような事故で悲惨な死に方をしなければならなかったことは本当に可哀想でならない。心よりご冥福を祈りたい。
意識不明が続いているという従業員女性は、まだその状態が続いているのだろうか。回復することを祈りたいものだ。
問題はこの火災の原因究明だ。最初に取り上げた北海道の高速バス火災の原因は事故直後から報道されており、オイル漏れの原因も間もなく明らかになるだろう。そうであれば対策も講ずることができ、再発防止に結びつけられる。
ところが長野市の通所介護送迎車の火災原因は、事故から一月以上経った今も詳細が明らかにされていない。
現在意識不明になっている女性従業員は、搬送時にはまだ意識があり、消防に対し、「エアコンの吹き出し口から白い煙が出て車を停めたら出火した」「火をタオルで叩くなどしたが消えなかった」と話したという。
この煙と火は、どのような原因で発生したのか・・・それを知りたいと思うのは、単なる興味本位とは異なる。
毎日のように送迎を行う全国の通所サービス関係者にとっても、どのような原因が車両火災に結びつくのかを知ることは、それと同じような事故を起こさない教訓を得るということである。
事故を起こしたニチイケアセンターまめじまの運営会社ニチイホールディングスは、デイサービス送迎車の車両火災に関するお知らせ を公式サイトに掲載し。「お亡くなりになったお客様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。原因の究明に努め再発防止の徹底に全力をあげて取り組んでまいります」とアナウンスしているのだから、究明された原因を内部処理するにとどめず、広く公開してほしいものである。
それが今後の送迎車両安全運行の教訓にもつながるのではないだろうか・・・。
※メディカルサポネットの連載・〜菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.9が本日更新アップされました。
今回のテーマは、「介護事業における虐待防止対策として必要な視点」です。張り付いた文字リンクをクリックして参照ください。
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