7/5に発出された介護保険最新情報vol.1289は、「老人福祉施設に係る指導監査について」の一部改正について(通知)とされている。
僕が管理する介護福祉情報掲示板では、この通知の中の『処遇に関する計画(養第15条)(特第14条)について』がどういう意味かというスレッドが立てられ議論ろなった。
(※当該部分は、下記画像の通り)
このように家族同意は認めず、本人同意が必ず必要になるかのような改正通知となっている。
確かに基準省令・介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十九号)の(施設サービス計画の作成)第十二条7は、『計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案の内容について入所者又はその家族に対して説明し、文書により入所者の同意を得なければならない。』となっており、説明は家族に行ったとしても、同意は入所者本人とされている。
しかし特養の入所者は、理解力の低下などが原因で本人同意が難しい人が多い。しかもそれらの人全員に成年後見人が専任されているわけではないので、便宜上それらの人の同意は、家族による第3者同意という形が認められていた。
今回の通知がもし本人同意しかみとめず、家族の第3者同意を認めないとしたら、大きな問題となってくる。なぜなら本人同意の原則を厳密に適用すれば、同意能力のない人すべてに成年後見人を選任せねばならなくなるからだ。(※掲示板スレッドの No.1を参照していただきたい)
しかし同意能力に欠ける施設入所者すべてに成年後見人を選任するなんて言うことは、手続きに多大な労力を要し、時間も費用も掛かる問題で、現実的には難しいのではないかと思える。
その為、この通知の意味を県に問い合わせた方が居られ、県が厚労省に確認したところ、改正部分はいったん保留とし、少なくとも今年度は改正前の対応で構わないとの情報が7/23に掲示板スレッドに書き込まれた。
だが今年度は良いとして、来年度はどうなるのだという不安をぬぐい切れずにいたところ、なんと7/30付で介護保険最新情報vol.1294「老人福祉施設に係る指導監査について」等の正誤についてが発出され、下記画像のように同意部分が訂正された。
誤りを通知したというより、vol.1289で通知した内容を反故にして、元に戻したということではないのだろうか・・・朝令暮改という言葉が頭に浮かんでくる。
なぜこのような混乱が生じたのかは定かではない。しかしこの短い期間に一旦発出した改正通知をもとに戻したということは、改正通知内容について相当数の問い合わせがあり、その中には家族同意が認めっらえなければ、介護保険施設は大混乱に陥るという意見が混じっていたのではないか・・・。
この大きな問題に気が付いて、混乱が生じないように元ルールに戻したというのが本当のところではないのだろうか・・・。
どちらにしても人騒がせな指導監査改正通知であった・・・官僚の思い付きで、ただでさえ忙しい介護事業者を混乱させないでほしいものだ。
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