先週金曜日に更新したブログ記事では、新設された生産性向上推進体制加算については、算定単位が10倍となる上位区分の加算��の算定を目指すべきだと書いた。
これは収益面で大きな違いがあることが最大の理由ではあるが、そのほかにも上位区分を算定すべき理由がある・・・時代のニーズに合わせたサービス提供方法の見直しによって、人材確保に先んずるためにもそれは必要とされるのである。
この加算の算定要件の一つに、「介護ロボットや ICT 等のテクノロジーの導入」がある。
テクノロジーとは次の3点を意味している。
�� 見守り機器
�� インカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するＩＣＴ機器（ビジネス用のチャットツールの活用による職員間の連絡調整の迅速化に資するＩＣＴ機器も含む。）
�� 介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するＩＣＴ機器（複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。）
下位区分の加算��を算定するにあたっては、上記の�，�ら��に掲げる介護機器のうち、１つ以上を使用するだけでよい。（※ただし�△竜ヾ錣脇碓譴了�間帯に勤務する全ての介護職員が使用しなければならない。）
しかし上位区分の加算��を算定するに当たっては�，�ら��の介護機器を全て使用する必要があり、かつ�，竜ヾ錣倭瓦討竜鐚爾棒瀉屬掘�※全ての利用者を個別に見守ることが可能な状態をいう。）（※�△竜ヾ錣浪短鮫兇汎瑛佑貌碓譴了�間帯に勤務する全ての介護職員が使用する必要がある。）
この要件に触れて、加算�気離謄�ノロジー要件のハードルが高いと考える施設には、将来介護職員は張り付かなくなる。
なぜなら�，�ら��の介護機器を全て使用することが当たり前になり、それらを活用することも当然と考えるようになって、その導入が進んでいない介護施設に就職しようとする人は非常に少なくなるからだ。
現に介護福祉士養成校の進路担当教員は生産性向上推進体制加算の新設に注目し、上位区分�気鮖残蠅靴討い覯雜酳欷瓜楡澆法⇒ダ菘�に生徒を推薦するとしているのだ。（参照：介護福祉士養成校進路指導者の視点）
どちらにしても早晩、これらのテクノロジー導入は当たり前になるし、当たり前にしない介護施設には人材は集まらなくなる。
例えばスマートベッド・・・バイタルデータの計測機能を装備したそれらのベッドは、値段が高いだけではなく、装備機能が使いこなせないために、導入は難しいのではないかと考えている経営者や管理者は少なくないだろう。
しかし過去を振り返ってほしい。僕が介護業界に就職したのは昭和58年（1983年）のことであり、新設の特養に就職したのであるが、1983年に新設された特養のベッドは手動ギャッジベッドであり、電動ベッドなど1台もなかった・・・それが当たり前で、電動ギャッジベッドなど贅沢品で、介護施設にとっては過剰で不必要な機能のベッドだと思われていたのだ。
しかし今はどうか・・・手動でギャッジアップしなければならないベッドを使っている介護施設に就職しようとする介護職員はいるだろうか・・・いるわけがない。
それだけではなくベッドの高さ調整だって電動が当たり前の時代になった。
介護保険施設の厨房業務も、直営ではなく委託が大半を占めるようになり、それが効率的施設経営に結びつくと考えられているが、1980年代に厨房業務をアウトソーシングしていた介護施設はほとんどなかった・・・しかしこれからは、厨房のアウトソーシングだけではなく、食事の配膳車を人が押して歩く業務もなくなり、自動配膳車が介護施設内を食事時間に合わせて走行する時代になっていくだろう。
利用者に対する集団的リハのための体操指導なども、介護職員は見守り対応をするだけで、AI搭載ロボットによる対応に代えている施設も少なくない。
このように時代とともにニーズは変化するし、それに合わせることができないものは廃れていくのである。
そういう意味では僕がかねてから推奨している夜間の看護職員オンコール対応のアウトソーシングも、行わないと経営が難しい時代になってくる。（※後日、実際に導入している施設の結果報告の記事も更新アップしたいと思う）
介護事業経営者や管理職の方々は、そのことを理解して経営戦略を練り直していかねばならない。
だが同時に、制度や報酬体系がどのようになろうとも決して変えてはならないものもある・・・それは私たちが護るべきものとは利用者の暮らしであるというサービスの根幹部分である。
利用者が今いる場所で、できる限り自立支援の視点を含めた豊かな暮らしを送る日常介護が行われ、そこで安心して、安楽な状態で人生の最終ステージを過ごすことができる介護支援が必要とされているという本質を忘れないことが重要である・・・それは時代に関係なく護られるべき問題である。
これを護れなくなった経営者や管理者、護ろうとしなくなった経営者や管理者は、この業界から身を引くべきであると思う。
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感動の完結編。
