昨日更新アップした、「在宅での看取り対応強化が図られた報酬改定」で触れたように、今後の介護事業は、施設サービスであろうと、居宅サービスであろうと、事業種別にかかわらず全てのサービス種別において看取り介護に携わっていく必要性が増します。
自宅で最期の時間を過ごすことを選択した終末期支援を必要とする人に対し、ショートスティやデイサービスといった居宅サービスが、終末期支援の社会資源の一つとして計画されるケースは確実に増えていくと思われます。
その為、介護事業に携わるすべての人に看取り介護スキルが、ごく当たり前に求められてくるのです。
だがそれは特別なスキルではなく、介護事業に携わる専門職として、各々にごく当たり前に求められる基本知識と基礎技術であると自覚し、そうしたスキルを備えておいてほしいと思うのです。
人間の致死率は100%です。人は死を避けられない生き物なのです。だからこそ死の瞬間まで、生きるを支える支援が必要なのです。介護支援はそのために存在するといっても過言ではありません。
死は厳粛なものです。だからこそ死までのカウントダウンが始まった人に対するケアも厳粛に行わねばならないのです。人としてこの世に存在することの喜びを最期の瞬間まで感じ取れるように、心を寄せる必要もあるのだと思います。
日総研出版社から発刊されている僕の著書、「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」の裏表紙の下記画像を観ていた抱きたいと思います。
ここには僕から読者の方々へ向けたメッセージを載せています。看取り介護に携わる人にも、このメッセージを受け止めてほしいのです。
最期の瞬間まで命の輝きを護る介護支援に心掛けてほしいと思います。
だからと言って、死に行く人に心を傾け過ぎないように、冷静なもう一人の自分を持つことも大事です。バイスティックの7原則の一つである統制された情緒関与の原則とは、『援助者は自分の感情を自覚し、利用者の感情に引きずられることなく、自分の感情をコントロールして援助する』という意味なのです。
そうした原則を貫き、自らの感情をコントロールして冷静に対応する姿勢が求められていることを理解してください。
私たちは、人として終末期を過ごす人に真摯に寄り添う必要はありますが、家族そのものではないということを忘れないでほしいのです。私たちはあくまでも対人援助の専門家として利用者や家族の方々に関わっているのです。
だからこそプロの支援者として寄り添う姿勢を忘れてはならないのです・・・時にはその姿は、他者から見れば非常にビジネスライクに映るかもしれません・・・例えば死の瞬間を迎えようとしている人の傍らで支援する相談員が、一方ではその人が死を迎えた後のことを考えて、新たな入所者を迎えるための準備をしている姿を見て、あまりにも情が薄いと思う人が居るかもしれません。
しかしそれは専門職として極めて当然の姿なのです。利用者に対する思いは大切ですが、その思いに引きずられて、本来の職務が全うできなくなっては困るからです・・・相談員のベッドコントロールの役割は、空きを待つ次の利用者のニーズに応える目的もあることを忘れないでほしいのです。
利用者の死を悼むことは否定されませんし、そうした思いを持つこと自体は、対人援助のプロの姿勢としても正しいことです。ですがその思いを引きずって自らの職務上のパフォーマンスが下がってはならないのです。
生きている人は、死んでしまった人の方に近づき過ぎてはなりません・・・死に触れたら、こちらの世界に帰って来なければならないのです。
それが対人援助のプロとして求められる考え方であり、姿勢でもあるのです。
僕はこれらの考え方や、介護事業における看取り介護の実務を解かりやすく伝える「看取り介護講演」も行っています。
近直では、7/30と8/27の2回に分けて、会津若松市在宅医療・介護連携支援センター主催・会津地域の医療介護関係者向け研修講師として看取り介護について合計240分の講演を行います。同会会員の方に向けたアーカイブ配信も予定されています。
このように介護関係者のみならず、医療関係者に向けても、介護事業における看取り介護の実務論を伝えることができるので、機会があれば是非、看取り介護研修講師としてお声がけいただければ幸いです。
連絡は公式Webの右上の✉マークをクリックして下さい。連絡しても必ず依頼しなければならないということはありませんので、まずはお気軽に打診・調整の連絡をしていただければと思います。
よろしくお願いします。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」(2021年10月10日発売)をAmazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。