6/7付で発出された令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.7)では、【協力医療機関連携加算】について次のような疑義解釈が示されている。

問1: 協力医療機関連携加算について、「入所者の同意を得て、当該入所者の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催している場合」とあるが、病歴等の情報を協力医療機関と共有することに同意が得られない者に対して算定できるか。

(答)協力医療機関連携加算は、高齢者施設等と協力医療機関との実効性のある連携体制を構築することを目的とした体制加算であり、入所者全員について算定されるもの。なお、協力医療機関に対して病歴等の情報を共有することについて同意が得られない入所者であっても、当該入所者の急変時等において協力医療機関による診療等が受けられるよう取り組むことが必要。

これにより協力医療機関連携加算は体制加算で決着したわけであるが、それはとりもなおさず、この加算が個別加算であると誤解する関係者が多かったからに他ならない。

現に僕が管理する介護福祉情報掲示板の、「協力医療機関連携加算は個別加算?体制加算?」というスレッドのNo.3では、行政担当課が個別加算であるとして、利用者全員に算定することを否定するような回答をしていたという情報が提供されている。

その理由は当該加算の算定要件が、「協力医療機関との間で、入所者等の同意を得て、当該入所者等の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していること。」とされていることから。同意の得られない利用者には算定できないと判断した回答だ。

しかもそれからさらに拡大解釈が行われ、「会議で情報共有されない利用者については算定しない」という考え方まで示された・・・これは解釈通知に「毎回の会議において必ずしも入所者全員について詳細な病状等を共有しないこととしても差し支えない。」と示されている内容と完全に矛盾する考え方である。
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そうした間違った行政指導が、Q&Aによって是正されることになるわけであるが、そもそも混乱のもとになっている「入所者等の同意を得て」という算定要件が必要なのかと問いたい。

なぜなら加算については、利用者もしくは家族への説明同意が必須であり、同意なしで算定できる加算なんて存在しないからだ・・・そうした当たり前の規定を算定要件に書いてしまうから、書かれていない他の加算と見比べて、おかしな解釈が横行するのではないのか・・・。

それと同時にQ&Aでは、「同意が得られない入所者であっても、当該入所者の急変時等において協力医療機関による診療等が受けられるよう取り組むことが必要」としているが、この加算の同意を拒む利用者をそのままにし、なおかつ診療等が受けられるように配慮する必要があるのかという疑問も抱かざるを得ない。

体制加算はすべての利用者に対してメリットがある体制を整えているという意味だ。それに対して加算費用を支払うことに同意する人と、同意しない人がいる状態をやむを得ないとすれば、快く加算同意した人が費用負担面で不利益を被ることになりかねない・・・同意しない人は、同意した人と同じ利益を享受しながら、費用負担しないのでは、同意した利用者が馬鹿を見るということになりかねない。

そうであれば、体制加算に同意できない人は、そういう体制のある施設を必要としないという意味で、同意しないのであれば、そうした体制加算のない別の施設に転入所してくださいとしてよいのではないかと思う・・・それは正当な理由によるサービス提供拒否として認められるべきだろうと思う。

同意をできない利用者は退所支援はきちんとするので、別の行き先を探しましょうということはあってよいのだろうと思う。


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