昨日、中体連の規模縮小が新聞報道された・・・全国中学校体育大会の冬季競技が取りやめられ、夏季競技も体操・相撲などの6競技も取りやめられることになったという。その理由は少子化への対応や教師の負担軽減のためだとされている。

子供の数がどんどん減っていることから、こうした改革はやむを得ないのだろう・・・そしてその影響は労働力の更なる枯渇というところへも影響を及ぼすことは確実だ。

すでに労働力の確保は各産業で最大の問題となり、賃上げをさらに図っていかなければならなくなる。

そのような中で、経営財源のほとんどを公費(介護給付費)によって賄う介護事業は、人件費の増加を価格転嫁できないために、他産業の賃上げに後れを取る状態が続いている。

しかしそれは放置しておいてよい問題ではない。

介護事業とそこで行われるサービスは単なる営利事業ではなく、国民の暮らしを支えるセーフティネットである。その網の目が壊れてしまっては経済活動も破綻しかねないということを鑑みて、介護事業者が必要な労働力を確保できるようなプラス改定を急いでもらいたい。

報酬改定は3年ごとが基本であるが、社会福祉制度が国の経済活動の基盤にもなり得るのだから、期中改定も視野に入れてほしいと思う。(参照:金子教授の「セーフティネット張替え論」
社会のセーフティネット
人材不足の影響は既に介護事業のあらゆるところに見え隠れしていて、いつも従業員募集広告を出しているが、その応募に応じる人も稀であるという声が聴こえる。

そうであるがゆえに、今いる従業員に辞められては困ると考える経営者や管理職が増えており、職場で従業員の不適切な行為等を見ても叱れない上司が多くなっている。叱れないどころか、働きぶりに問題があっても注意さえできない上司も存在する。

そんな状態では職場環境は悪化の一途を辿り、サービスの品質も低下してしまうだろう。

従業員の姿勢を正すことができない状態が介護サービスの場で起これば、利用者の暮らしの質の劣化に繋がりかなないし、虐待事案もそうした環境によって生まれやすくなる。

現に今年5月、埼玉県飯能市の特養で入居している90歳の男性の背中を車いすごと蹴って死に至らしめた事件の容疑者は、上司から勤務態度は良好という評価を受けていた。しかしそれは単に決められた仕事ができたというだけで、利用者に対して失礼な言動が見られていたが、それに対する注意や指導がされていなかったのである。

タメ口や節度のない対応に対する注意や指導が行われないまま、業務をこなせることだけを評価した成れの果てが、虐待死亡事件につながったわけである。

だからこそ注意して行動変容を促すことは重要なのだ。その際に叱られてはじめて理解できるという人もいるのだ。教育指導のために効かるという行為は、単に怒りをぶつけることではなく、愛情ある教育なのである。

そもそも働きぶりに問題がある状態を指摘しただけで辞めてしまう人間に、仕事の成果が期待できるというのだろうか・・・そんな人間は辞めてもらった方が、生産性は高まるというものだ。

しかし叱るといっても、最近ではちょっと注意するだけでパワハラ・モラハラと抗議されるという声も聞こえる。

パワハラ・モラハラには明確な定義があるのだ。その定義から外れる指導や注意は、パワハラ・モラハラと非難されるいわれはないわけであるのだから、管理職やリーダーは、パワハラ・モラハラという定義をきちんと理解したうえで、従業員を育てるための叱り方を学ぶべきだ。

僕の介護人材マネジメント講演では、こうした内容も盛り込んで話をしている。既に来年度も、リーダー研修として、教育指導とハラスメントの違いを学ばせてほしいという講演依頼もいただいている。そうしたご要望は常に受け付けているので、是非メール等で問い合わせてほしい。

ところで僕は今、このブログ記事を空の上から更新アップしている。現在福岡空港に向けた移動中である。新千歳空港から福岡空港までは、直行便で約3時間の旅である。

昨年10月以来の福岡は、美味しい食べ物がたくさんあるところなので、今から楽しみである。明日は福岡から記事更新するので、食べ物情報も含んだ記事となることを期待してほしい。


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