暦を見ればすでに6月・・・先週土曜日が1日だったため、今日・月曜日が月が替わって最初の出勤という人も少なくないだろう。

介護事業者にとって今年の6月は、例年のこの月とは少し違う月になった。この月からやっと全サービスの報酬改定が行われることになるからだ。

3年ごとの介護報酬改定は、4月に全サービスが一斉に行われるのが普通だが、今年度は訪問看護訪問リハ通所リハ居宅療養管理指導医療系居宅4サービスの報酬改定時期が6月にずれ込んでいる。

これは診療報酬改定時期にあわせたものだ・・・もともと診療報酬も4月改定が通常であったが、医療DXを進めていることに関連して、年度替わりに様々な医療システムの変更が行われる予定であったため、この時期に診療報酬改定が重なると、医療機関やシステムベンダーの負担が集中して、想定外の事故が起こることを懸念して、一昨年の段階で診療報酬は6月改定にずれこませることが決めれていた。

そのため介護サービス事業をおこなっている医療機関も多いことから、昨年10月の介護給付費分科会で、介護報酬も改定時期を6月にすることが国から提案された。

だがその時点では水面下で、今年度の介護報酬はプラス改定になるであろうという情報が流れていたので、プラス改定になる時期が2月も遅れることはまかりならんとして、全国老施協等が反対したのである・・・そのため妥協案として医療系居宅4サービスのみの改定時期がずれたのである。

この部分については、全国老施協が随分頑張ったと評価できるのではないだろうか。

それにしても改定時期がずれた4サービスを経営している医療機関は、本当にこの改定時期変更でメリットがあったのだろうか。老健等を経営している医療機関は、施設サービスと居宅サービスの改定施行時期がずれたことで、逆に混乱したのではないかと思ってしまう。
介護処遇改善
さてそれはともかく今月は、処遇改善加算の統合・一本化という大きな変更も行われる。

ただし加算の配分を事業者の裁量で自由設定できる変更については、4月から実施可能とされていたため、給与規定を改定して4月から配分が変更されて支給されている事業者も少なくないだろう。

6月からは加算率がアップされるので、更なる給与改善に期待している人も多いと思う・・・ただし今回の加算配分は複雑である。

新加算の加算率の引上げを行う際、介護現場で働く方々にとって、令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップへとつながるよう、介護サービス事業者等の判断により、令和6年度に令和5年度と比較して増加した加算額の一部を令和7年度に繰り越した上で、令和7年度分の賃金改善に充てることを認めることとし、令和6年度分の加算の算定額の全額を令和6年度分の賃金改善に充てることは求めないとされているのだ。

その際、令和7年度の賃金改善の原資として繰り越す額(以下「繰越額」という。)の上限は、令和6年度に、仮に令和5年度末(令和6年3月)時点で算定していた旧3加算を継続して算定する場合に見込まれる加算額と、令和6年度の新加算等の加算額(処遇改善計画書においては加算の見込額をいう。)を比較して増加した額とするとしている。

その為、4月に定期昇給や加算配分変更などで、給与アップした事業者の一部は、6月以降に新加算に移行した分の昇給は行わずに、6月以降の加算算定で増加した収入分の配分をそっくり令和7年度に繰り越すというところがあるかもしれない。

そういう事業者の職員は、じっと来年度まで加算配分が増えることを待たなければならない・・・なんとも複雑怪奇な加算となったものである。

どちらにしても新しくなった処遇改善加算の取り扱い(配分等)については、従業員に周知しなければならないことになっているので、疑問が解消されていない方々は、上司や経営者に説明を求めて差し支えない。

経営者や管理職は、その説明責任があることを自覚・理解していただきたい。


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