国立社会保障・人口問題研究所が2018年に行った試算によると、2030年に年間死亡数は160万人を超え、その後2050年ごろまで160万人台で推移していく見込みであるとされていた。

ところが今年2月に厚労省が発表した速報値によると、昨年(2023年)の死者数は159万503人となっている・・・ということは今年で死者数が160万人を超えるのは確実と言える状況である。

このように2018年の試算より6年も早く死者数が160万人を超えることになるのである。

しかしこれほど多数の死者に対応できるほど、医療機関のベッド数は確保されていない。その為、必然的に我が国では医療機関以外で最期の瞬間を迎える人が増え、その準備を進める必要があるわけである。

こうして既に我が国は、死ぬためだけに医療機関に入院できない社会となっており、回復不能な終末期になった際には、今いる場所で最期の時間を過ごす必要があるのだ。

だからこそ介護事業に携わる関係者は、サービス種別に関わらず、必ず終末期支援の必要性があることを自覚し、看取り介護スキルを向上させていく必要がある。

しかし看取り介護は、決して特別なケアではない。勿論、終末期特有の身体状況変化に対応したケアを行うために、備えおくべき知識は存在する。(参照:看取り介護研修で欠落させられない知識情報

しかしそうした知識も、介護専門職に必要な知識として、ごく当たり前に学び獲得するものであるし、看取り介護の基本は、日常ケアの延長線上にごく普通に存在する時期のケアに過ぎない。

身体の安楽・精神の安定・・・そうしたことを保障するケアは日常的に行われているはずであるし、行われなければならないものだ。

ただし看取り介護は、医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者に対するケアであり、余命診断が行われているのが普通である。
(※終末期とは、治療により回復の見込みがなく、数週間〜半年程度で死を迎えるだろうと予想される時期であり、余命半年以内が終末期の目安

つまり限られた時間の中で行うケアであるということだ。

そこで大事になることは、その限られた時間を意識したエピソードづくりである。

看取り介護を実践しようとする介護施設等の職員の方から、「看取り介護と言っても、実際、何を具体的にすべきかがわからない」と質問を受けることがあるが、特別なことをするのではなく、この限られた時期を意識したエピソードづくり・・・看取り介護対象者とこの世でご縁があった様々な人が、ごく自然にお別れの時間を創る支援をすることが重要なのである。
看取り介護講演スライド
上のスライドは、来月予定している看取り介護講演のPPTスライドの1枚である。

ここでは僕が今まで実際に経験してきた看取り介護の実践から、様々なエピソードを紹介して、どのように限られた時間の中でお別れの時間を創り、そこで看取り介護対象者がどのように過ごしているのかということを紹介する。

看取り介護とは、介護職員以外の訪問者もない密室化された居室に遮光カーテンが引かれ、日中でも暗い部屋の中で一人寂しく過ごして死んでいくことではないということを具体的に伝えている。

その話を聴いた多くの受講者の方が、「自分の考えは間違っていなかった」とか、「こんな看取り介護なら、自分でも行うことができる」と自信を持ってくれる。

悲惨な状態で、悲惨な死を迎える「看取り難民」が生じないためにも、是非、本物の看取り介護実践医つながる講演を聴いていただきたいものである。

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