株式会社マイナビのポータルサイト・メディカルサポネットの連載記事「菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営」の第5回目配信記事が昨日アップされた。(※この連載は全12回の予定です。
菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営
今回のテーマは、「従業員がメンタルヘルス不調に陥らない組織づくり

毎年GW明けのこの時期にメンタルヘルス不調に陥る従業員が多くなる。いわゆる「5月病」と呼ばれる症状である。

それはすべての介護事業者においても無縁ではない。

特に4月に入職した新人職員の中には、なかなか新しい仕事に慣れず、先輩職員のようにテキパキと業務をこなせないことから、自分の適性を疑い、仕事に対する希望が絶望に変わっていく人も少なくない。

同時に志高く、介護という職業が人の暮らしを護り、社会に役に立つ職業であるとして選んだ人が、先輩職員の機械的作業のように利用者を扱う姿に絶望し、心を折って介護業界から去ってしまう事例もある。

皆さんの職場では、そんな新人職員はいないだろうか・・・。希望に燃えていた新人職員が、この1月半の間に元気を失い、表情が乏しくなり、声が小さくなっていないだろうか。

そうしたちょっとした変化を見逃してしまうことは、将来ある若者の夢や希望を捨てさせることに繋がるし、強いては職場の貴重な財産であり戦力である人材を失うことに繋がりかねない。

そうしないために何が必要だろうか・・・是非その答えを探して、今回の連載記事を読んでいただきたい。
メンタルヘルス不調を防ごう
それに加えて今日は、このブログ読者にも伝えておきたいことがある。それは僕の介護という職業に対する思いと、その思いをつなげるべき若い人々につたてほしいことである・・・。

僕は介護という職業は、利用者の暮らしを護るために存在すると信じている。

少し大きなことを言うが、目の前にいる誰かの暮らしを確実に支える仕事を、何年も続けていくということは、とりもなおさずこの国と、この国の人々を護ることにつながっていると思う。

だから介護という職業を続ける人には、この国とこの国の人々を護りたいという動機づけを持ってほしいと思う。新人職員には、そうした動機付けを持つことができる教育をしたいと思い続けてきた。

それが自己満足と言われてもかまわない。むしろ自己満足で何が悪いかと言いたい。

介護という職業に従事して、つらい苦しい思いをしたって誰かが褒めてくれるわけじゃない。暦に関係なく世間の人々が休みの間も黙々と働き、誰かの暮らしを支えているからと言って、莫大な金がもらえるわけでもない・・・だから介護という職業を続けることに自己満足を感じて何が悪いんだと思う。

僕たちは機械ではないのだ。ひとり一人が人間で、迷いや不安を持っている。だからこそ、せめて自分で自分を肯定してやらなければ、いつか壊れてしまう。

そういう弱さや、弱さに向かい合う方法と考え方も新人職員に伝えてほしい。それが5月病を克服するための何よりの力になるのだ。

そんなふうにして5月病は、その段階で周囲の人が気づいて対策することにより回復する症状である。

だがこれを放置することでうつの入り口であると云われる6月病に陥る人が多いことを理解しなければならない。

介護の仕事は、「感情労働」とも呼ばれ、組織的にメンタルヘルスを管理する必要がある仕事であるという理解と配慮が求められるのである。

そしてその時に大切なことは、自分が選んだ介護という職業の使命を理解し、その仕事を続けられる自分に対して誇りを持つことができるということであることを、決して忘れてはならない。


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