介護保険制度における居宅サービスのチーム連携においては、居宅支援事業所の介護支援専門員(以下、居宅ケアマネと略す)が扇の要役を務めると言われている。
そこには上下関係は存在しないものの、役割分担として居宅ケアマネがチームをまとめることが前提とされている。
そうであるがゆえに居宅ケアマネは、居宅サービスの種別に関係なく、横断的に報酬算定のルールや運営基準に精通していなければならない。
そうでなければ法令に沿ったサービス提供や、適切な給付管理ができなくなり、場合によってはいちいち居宅サービス事業者から指摘を受けて居宅サービス計画書の内容や給付管理方法を変更しなければならなくなる・・・それではチームメンバーから信頼を得てタクトをふるう役割は担えない。
そんな状態に陥らないように、新年度からの報酬改定・基準改正による新要件や新ルールの確認は欠かせない。
こうした新ルールの確認と理解のお手伝いをするためのオンライン講演を無料配信する。
日時は4/18(木)13:30〜15:00の予定で、「ケアマネが押さえておきたい報酬改定・基準改正」をテーマに、Zoomによるオンライン配信を行うのでぜひ視聴いただきたい。
上のポスター画像に掲載しているIDとパスワードを利用して入室・視聴できる講演で、事前申し込みは必要ないので、どなた様もお気軽につなげてほしい。
例えば新年度からの報酬改定に伴って、改定事項を利用者もしくは家族に説明して同意をもらわねば費用算定できないものがある。この説明同意は、本来新要件が適用されるサービス提供前の3月中に行うのが筋だ。
しかし今回の報酬改定は、訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・通所リハビリテーションに係る見直しは令和6年6月施行に先送りされているなどスケジュールが従前とは大きく異なっており、煩雑な事務処理などが必要とされている。
その為Q&A Vol1では、報酬改定に伴う説明同意についても、次のような特例ルールが示されている。
・4月施行の見直し事項については、やむを得ない事情により3月中の説明が難しい場合、4月1日以降速やかに、利用者又はその家族に対して丁寧な説明を行い、同意を得ることとしても差し支えない。
・6月施行の見直し事項については、5月末日までに、利用者又はその家族に対して丁寧な説明を行い、同意を得る必要がある。
・5月末日までの間に新たにサービスの利用を開始する利用者については、サービス利用開始時の重要事項説明時に、6月施行の見直し事項について併せて説明しても差し支えない
また一部の福祉用具が貸与と購入を選択できるようになったことから、利用者の選択に際して居宅ケアマネが介入しなければならない義務も新たに課せられている。これらもしっかり理解しておかねばならない。
その新ルールを理解している居宅ケアマネであっても、福祉用具貸与事業者がサービス提供の開始時から少なくとも6カ月に1回モニタリング実施義務を課せられたことの影響を理解していないケースが見られる。
福祉用具貸与事業者は、モニタリングの結果を居宅介護支援事業所に報告する義務が課せられたが、これに関してQ&A Vol1では、「居宅サービス計画等の見直し又は継続理由の記載については、福祉用具専門相談員のモニタリングと同様に6月以内に行う必要はないが、福祉用具専門相談員からモニタリングに関する情報提供があった後、速やかに居宅サービス計画等の見直し又は継続理由の記載を行うこと。」としている。
つまり居宅介護支援事業所は、福祉用具貸与事業者から報告を受けた時点でモニタリングを行う必要はあるわけで、それが福祉用具貸与の計画を立案後6月以内でなくては良いといっても、極めてその期間に近い時点でモニタリングをしなければならないのである。
こうした細かなルールを様々な角度から解説する予定である。90分の講演であり、居宅ケアマネの方を主な対象として内容を組み立てているが、LIFE対応など施設ケアマネの方にも関係する内容も含まれている。今から当日の予定を空けておいて視聴していただきたい。
ところでこのオンライン講演を主催配信するのは、僕が顧問を務めている株式会社279(つなぐ)の「つなぐ手ケアマネセンター」である。
同センターは完全テレワークで仕事ができる居宅介護支援事業所であり、ケアマネジャーは18名、バックオフィス(事務担当)3名、システムエンジニア1名の布陣で、札幌市手稲区に事業所を構えている。しかしテレワークで仕事ができるため、道外のケアマネジャーも所属している事業所だ。
配信は手稲の事業所から行うが、配信後は小樽市に移動してプチオフ会を行う予定になっている。
小樽で一緒に呑みたい方、オフ会の席で完全テレワークのケアマネジメントについて尋ねたい方などは、ポスターに書いている電話番号もしくはメールアドレス宛に連絡・申し込みを頂きたい。
せっかくの機会なので、是非お気軽に参加申込願いたい。
※株式会社マイナビの情報サイト・メディカルサポネットの菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.4のテーマは、「処遇改善加算の恩恵がない居宅ケアマネジャーの待遇改善をどう考えるか」です。是非参照ください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」(2021年10月10日発売)をAmazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。