今日、午後2時〜5時まで、自宅からオンライン講演を配信します。

この講演は、一般社団法人京都府老人福祉施設協議会主催・看取り介護セミナー導入編の中で行われたもので、5年連続で講師を務めさせていただいています。

最初にこの講演を行ったのは2019年度のことでした。その時は後にコロナ禍という過酷な状況が訪れるなどと予測もつかない時期でしたので、京都府医師会館で対面式の会場講演を2日間(合計6時間)にわたって行い、GWのコーディネートも行いました。

しかし2回目以降は、新型コロナの影響でオンライン配信となっており、今年度は3時間講演を2回に分けて配信する予定で、次回は2/7に配信を予定しています。(※昨年度までは2時間×3日間で行っていました

これだけ長時間の講演をオンラインで受講するには、かなりの集中力と気力が必要かもしれません。そういう意味でも会場講演が復活することを願っております。

ところでこのセミナーは、単に看取り介護の方法論を知るためだけのセミナーではありません。また看取り介護加算を算定するための要件確認をするためだけのセミナーでもないのです。

そんなものは僕以外の講師でも伝えられます。しかしそんなことを説明してもあまり意味はないのです。

看取り介護とは、対象者が最期まで尊厳ある個人としてその人らしく生きることができる支援なのですから、具体的に安心して安楽に過ごすことができる支援の方法論を伝えなければ意味がないのです。

医師や看護師を講師に招いても、介護実践の場で行うことができる看取り介護の方法論なんて示してくれません。そんな意味のない講義はしたくありません。

このセミナーで伝えたいこととは、看取り介護・ターミナルケアに対する考え方の基本であり、それは「介護」の在り方そのものを考えることです。

その過程で「」・「尊厳」に寄り添う姿勢を問い直すセミナーであると考えてほしいと思います。ただしそれはあくまで実践論であり、できないことを「すべきである」というような空論は一切ありません。
看取り介護の一例
上の画像は、僕が総合施設長を務めていた特養で、看取り介護対象者のご家族が撮影された写真画像です。

手前のフルリクライニング車いすに座乗している方が、看取り介護対象者の方です。その方がこの日、ベッド上で体清拭を受けていた際、ずっと目をつぶったままだったのに、ホールから音楽と楽器の音が聞こえてきた瞬間に目を開けたのです・・・実はその音は、看取り介護対象者の方が、毎回欠かさず参加していた「療育音楽」という音楽療法(グループワーク)の音だったのです。

体清拭をしていた介護職員が○○さんが眼を開けたことに気づき、「○○さん、療育音楽が始まりましたけれど、参加したいですか」と問いかけたとき、看取り介護対象者の○○さんは、静かにうなづいたそうです。

その為、介護職員は看護職員に参加できるかどうか確認したうえで、フルリクライニング車いすに移乗介助して、療育音楽に参加してもらいました。

その際○○さんは、唄をうたうことはできなかったけれど、しっかり目を開けて、ステージの上で楽器演奏を指導するケアワーカーを見つめ、声を聴いていました・・・短時間ではあったけれど、いつも一緒に参加していた友人(隣の白髪のご婦人)の傍らで安らかな時間を過ごされました。

そしてこの写真に写っている○○さんは、その日の夕方に旅立たれました。

写真画像は、旅立ちの日が近いことを告げられて、施設に泊まり込んでいたご家族が撮影したものです。

お通夜の際に、参列者の皆様にこの画像が紹介され、「亡くなる最後の日・・・その直前まで、このように活動参加し、親しかった皆様と交流できました。最期はとても安らかに逝くことができました。母にとってとても幸せな人生の幕引きであったように思います」とご遺族が挨拶されていました。

全国の介護関係者の皆様に、その画像とエピソードを紹介したいと思い、ご遺族にお願いしたところ快く提供していただいた画像です。

このように僕の看取り介護講演では、今まで経験した様々なケースを紹介しながら、本当に求められる看取り介護の実践法を伝えています。

看取り介護を通して、世代を超えて命はリレーされるのです。看取り介護とは、人が最期の瞬間まで尊厳を持つと同時に、生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護なのです。

それは特別な介護ではありません。

だからこそ看取り介護は、「するしない」、「できるできない」と判断するのではなく、日常介護の延長線上に、ごく普通に看取り介護の実践があって当然であると考えるべき介護だと伝えています。

看取り介護スキルは、介護関係者が当然備えておくべきスキルであることも伝え、終末期の人の体の変化に対応するケアのあり方も具体的に伝えています。

このような看取り介護講演を、僕以外にできる人を知りません・・・それは果たして自惚れなのでしょうか。

しかし自信をもって言います・・・本物の実務論・実践論としての看取り介護を知りたい方は、是非ご一報くださいと・・・。
CBニュース
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